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2011年 12月 25日
八頭町の近代建築
鳥取県八頭町の近代建築

平成17年に八東川流域の3町が合併して誕生した八頭町は、その町域の中央を従通する智頭街道沿いに古くから集落が発展していました。これらは若桜鉄道の開通によって更に地域の拠点としての立場を深め、数々の公共施設が開かれて行きました。
今月の鳥取県の近代建築探訪は八頭町に残るこれらの建物を紹介します。

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旧安井郵便局
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安井宿に残る旧郵便局。下見板貼り2階建、当時の地方郵便局によく見られる意匠ですが、中央入り口両脇に付柱を飾ります。
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旧八東法務局
少し離れた場所に建つ半ば朽ちかけた建物。八東法務局として使われていました。
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玄関庇のペディメントにはメダリオンが飾られています。
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旧下私都郵便局
若桜街道からやや外れた大坪地区にも旧郵便局舎が残されていました。
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JAいなば船岡支店
若桜鉄道因幡船岡駅の傍に建つJAの建物。来歴は不明ですが、昭和戦前あるいは昭和20年代の築と思われます。
(*JAいなば船岡支店より「70年程前に建てられた旧小学校校舎」との回答をいただきました。)
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by sunshine-works | 2011-12-25 23:57 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 21日
旧三豊郡農会農事試験所
香川県観音寺市の近代建築その1

観音寺市の北西、財田川沿いに開かれた名勝琴弾公園。この敷地の一角に観音寺市郷土資料館が置かれています。この建物は大正3年に旧三豊郡農会農事試験場として建てられたもので、その後は産業勧業館、市立博物館を経て昭和52年から現在の郷土資料館として使われています。
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明治中期から近代農法の研究開発機関として全国各地に農事試験場が設立されていきます。香川県西部の中心だった旧観音寺町にも大正3年、この建物を本館とする県立農事試験場が設置されました。
農事試験場として使用されたのは10年程の短い期間でしたが、その後は各種の公共施設に転用される事となります。竣工から90年を超える今日も創建当時の木造2階建・漆喰壁に和瓦を噴いた寄棟屋根を載せる本館と、その背後に建つ木造平屋建の展示館が現存し、郷土資料の収蔵及び展示施設として使われています。
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規模としては小さな造りですが、大正時代の庁舎・役場建物に相応しい格式や風格を備えた、地方における優れた公共建築の一例です。大きな改装もなく、竣工当時の姿を良好に留めています。
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本館建物は完全な洋館建ではなく、骨組みに和風の小屋組を用い、屋根には和瓦を葺く等、伝統工法を基本にした和洋折衷のスタイルですが、セセッションの影響も感じさせるモダンな意匠となっています。中央に切妻屋根を持つ庇を大きく張り出し、建物上部には玄関庇に合わせた三角破風を設けます。
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花崗岩の基礎の上に組んだ木桁で和風の庇を支える玄関ポーチ。
玄関の左右には縦長の大きな窓が並びます。
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小さな石段を上って館内へ
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ほぼ当時の姿が保たれている館内。何度か用途が変更される度に改装を重ねましたが、現在は竣工時の姿に復されています。
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2階の資料室に繋がる階段。
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2階の窓からは裏手に並ぶ展示館の特徴的な越屋根を窺うことが出来ます。
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本館の裏口。ここから裏手の展示館へ繋がります
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渡り廊下で展示館へ移ります。
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展示館内部。天井に設けられた明り取り用の窓から日差しが差し込みます。
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各地に数多く建てられた農事試験場建物は現存例も多く、様々な時代の建築様式を見て取る事が出来ます。この旧三豊郡農会事務所も大正初期の地方公共建築の姿を今に伝える資料として貴重な建物と言えます。
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by sunshine-works | 2011-12-21 23:55 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 17日
旧粟島航海学校校舎
香川県三豊市の近代建築その2

三豊市詫間から連絡船で15分程の沖合いにスクリューの形をした小さな島があります。
この粟島は江戸期より海運の島として栄え、明治に入るとその伝統を受け継ぐ形で海員学校が置かれました。
海員学校は幾度か変遷を経た末に昭和62年に廃校となりますが、敷地はリゾート施設に転用され、大正9 年に建てられた本館と教室棟の一部が残されています。
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この校舎は県立粟島航海学校時代の大正9年に建てられました。
煉瓦の基礎に下見板張の外壁が組まれ、壁面に大きなガラス窓が並びます。1階と2階は明確に軒蛇腹で区切られ、屋根は和風の桟瓦が葺かれます。
様式美と機能美を備えたこの時代の学校建築らしい重厚な意匠です。
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正面玄関の詳細。
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本館の裏面です。
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館内は見学自由。この入口から館内へ入ります。
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時間が止まったような校内廊下。懐かしい木造校舎の雰囲気を今に伝えます。
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廊下は更に奥へと続いてその先の教室へ繋がります。
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教室内部です。大きな窓ごしに美しい海の景色を望みます。
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北側の窓から中庭越しに本館を見据えます。
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この階段から2階へ。
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本館2階の講堂。
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庭園として整えられた中庭。当時の生徒達が設えたものです。
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教室棟の側面。
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こちらは裏庭からの眺め。
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各地に設置された船員学校ですが、その後はコンテナ船への移行や外国人船員の増大によってその役割は次第に薄れて行き、半数以上が廃校となってしまいました。
往時の姿を留めるこの校舎は、日本の海運業の根底を支えた海員学校の現存例として貴重な存在となっています。
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by sunshine-works | 2011-12-17 00:59 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 13日
旧丸岡呉服店
香川県三豊市の近代建築その1

2005年に周辺町村が合併して誕生した三豊市の真ん中、三野町下高瀬の一角に1棟の洋風建物が建っています。現在下高瀬簡易郵便局として使われているこの建物は呉服店として昭和10年に建てられました。
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木造モルタル2階建て、正面外壁にタイルを貼り、中央上部にはメダリオンを飾った破風を立ち上げます。
地方の小さな町の店舗とは思えない装飾豊かで意匠に優れた建物です。
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破風のメダリオンには屋号の紋が刻まれます。
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玄関の両翼に設けられた張り出し部分。現在は向かって右手側が郵便局、左手側は住居として使われています。
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表面に貼られた化粧タイル。つるっとした表面に細かい模様が浮き彫りされています。
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下高瀬の中心集落に位置しますが、周囲の殆どは和風の民家。店舗が立地するような商業地域には見えません。
かつては多くの店舗が並ぶ一角だったのでしょうか。
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細い路地に面した側面。側面はタイル貼りではなく、掻き落としのモルタル壁で仕上げています。
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再度正面に回って入口付近を窺います。
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一部手直しはされているようですが、良好に竣工時の姿が保たれており、地方に於ける優れた店舗建築として価値の高い建物です。
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by sunshine-works | 2011-12-13 20:38 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 09日
旧新見郵便局
岡山県新見市の近代建築

高梁川に沿って連なる新見の旧市街の一角に郵便局舎として建てられた建物が残っています。現在は事務所ビルとなっているこの建物は、昭和6年に建てられ、昭和33年まで新見郵便局(上市郵便局)として使われました。
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新見駅の北側、高梁川に面した旧道に建つスクラッチタイル貼り、寄席棟造り、構造は木造モルタルと推測される2階建の建物です。そのレトロな外観は川を挟んだ対岸からも目を惹きます。
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この時代、地方都市でも洋風建築の郵便局舎が数多く建てられましたが、流行の建築様式が随所に取り込まれたこの局舎は都会の建築物に劣らない凝った造りです。
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スクラッチタイル張りの外壁。岡山では珍しい現存例です。
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郵便局時代の名残。何に使われていたのでしょうか。
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洋風意匠の前面とは大きく印象の異なる側面。劣化が進み、ちょっと心配な状態です。
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県北の交通の要衝として発展した当時の新見の様子が偲ばれる建物です。
古い郵便局舎が数多く残る岡山の中でも、この旧局舎は地方の建築技術の質の高さを示しています。
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by sunshine-works | 2011-12-09 23:22 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 05日
吉備線の橋梁2
備中の鉄道遺産その9

前回に引き続いて吉備線に残る開業時の橋梁を巡ります。重厚な石積の擁壁や橋脚が田園の中に点々と並ぶ美しい風景がこの先も更に続きます。
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開業時の橋梁が並ぶ区間の中間辺りです。収穫前の稲穂の向こうに橋梁、彼方に山々を見据えます。
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すぐ隣に小さな橋梁が並びます。
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築堤の上を気動車が通過していきます。
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「血吸川」との不思議な名を持つ橋梁。この橋も開業時からのものです。
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避溢橋、陸橋、開渠、様々な名称の小さな橋梁が連なります。
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この砂川橋梁を渡った先で築堤区間は終了します。開業時に築かれた一連の橋梁群もここまでとなります。
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備中の鉄道遺産の前段は一先ず今回で終了。次回からは備中の近代建築&土木遺産を巡ります。
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by sunshine-works | 2011-12-05 21:22 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 12月 01日
吉備線の橋梁1
備中の鉄道遺産その8

岡山から総社市を結ぶ吉備線は距離にして20km程の短い路線ですが、明治37年に開業した県内で3番目に古い歴史があります。
この吉備線の備中高松から服部の区間には開業時の築となる橋梁や開渠、架道橋が多数現存しています。今回と次回に分けてこの区間に残るこれら橋梁群を紹介します。
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これらの橋梁群は足守駅の東側から服部駅の手前までの3キロ程築堤が続く箇所にあります。長閑な田園風景の中、東西に連なる築堤と道路や水路、河川が交わる箇所に設置されたこれら橋梁の殆どが開業当時に築かれたものです。
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吉備線に残る開業時の橋梁は河川を渡る物と道路や水路を跨ぐ物の2種類に分けられます。後者はどれもこの様に小規模で、その殆どが石積の擁壁や橋台を用いています。
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この東側にも同様な架道橋が数基並んでいます。
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足守駅の東側で川を渡る足守川橋梁。この区間で最も長い橋梁です。
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花崗岩を積んだ橋脚。ほぼ同時期に開業した津山線には煉瓦の橋脚や擁壁が見られましたが、吉備線の橋梁には煉瓦は用いられませんでした。
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足守駅の西側の橋梁。この先暫くは小規模な橋梁が連続します。
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橋梁を辿りながら更に西へ進みます。一直線に延びる線路は短い間隔で農道や水路を越えて行きます。
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間に支柱を設けたやや規模の大きな橋梁。
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先程とほぼ同じタイプの橋梁が続きます。
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橋名の表記に「避溢橋」とありますが、これは洪水時に水を逃がす為の物との事。構造的には一連の橋梁群とほぼ同じ造りです。
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河川を渡る橋梁と同じように川上側には水切りと呼ばれるエッジが付けられています。
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次回へ続きます。

by sunshine-works | 2011-12-01 20:12 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)