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2011年 03月 31日
旧善通寺偕行社
香川県善通寺市の近代建築その4

善通寺市役所の隣に木造平屋の大きな洋風建築が保存されています。この建物は旧陸軍第11師団将校の社交施設として明治36年に建てられました。
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陸軍将校の親睦場として主要な師団にはこのような偕行社と呼ばれる施設が設けられていました。(ちなみに海軍では同種の施設を水交社と称していました。)
前回紹介した旧師団司令部建物と良く似た意匠表現が用いられており、同時期に建てられた各師団の司令部や偕行社の建物はほぼ統一された規格が用いられていたようです。
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玄関から一段奥に両翼が伸ばされています。
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陸軍の星章を象った床下の換気口。
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建物南側は芝生の庭に面して長いバルコニーが設けられています。
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館内は中央に大きなホール、両側に貴賓室や食堂が配置されています。
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各地に建てられた偕行社で現存している数例の一つとして貴重な建物です。社交施設だけに装飾豊かで見所が多く、創成期の軍施設の概要を良く伝えています。
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by sunshine-works | 2011-03-31 00:10 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 03月 27日
旧陸軍第11師団司令部(乃木館)
香川県善通寺市の近代建築その3

明治31年、陸軍第11師団が設置された善通寺は四国随一の軍都として発展していきます。終戦に伴い師団は解隊されますが、程なく陸上自衛隊の師団が設置され、多くの旧軍施設が引き継がれます。
今回から数回に亘ってこれら善通寺市内に残る旧第11師団時代の建物のいくつかを紹介していきます。
初回は陸上自衛隊第14旅団の敷地内で記念館として保存されている旧師団司令部を紹介します。
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木造2階建て・寄棟造。中央玄関上部の三角ペディメントには陸軍のシンボルである星章が飾られます。
玄関の車寄せは大正11年に増設されたものです。
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建物は両翼の左右が後方に伸びたコの字型。こちらは西側の側面です。
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建物裏側です。
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館内の様子。司令官室をはじめ当時の状態が良く残されています。
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傍らに建つこの建物も旧軍の施設と思われます。
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全国に設立された旧陸軍の建物の多くは終戦時にその多くが喪失してしまいましたが、この善通寺は空襲被害を免れた事もあって無傷で残り、その後も自衛隊の施設として良好な状態で保たれています。
現存する旧軍の師団司令部として極めて資料的価値の高い建物です。
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by sunshine-works | 2011-03-27 23:50 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(2)
2011年 03月 23日
日本キリスト教団津山教会
岡山県津山市の近代建築その15

津山城跡の西方、住宅街の一角に小さな教会が建っています。日本キリスト教団津山教会は明治24に設立されていますが、この建物はその後の明治37年に建てられた物です。
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木造2階建て、下見板貼り、大きな切妻屋根。正面玄関上部に小さな区画が張り出す様に乗せられています。
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両脇に尖塔アーチ窓、その中央に玄関が設けられています。
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入口の石柱も同時期の物と思われます。
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岡山県内には各地に古い教会建物が数多く残っていますが、津山ではこの教会が現存する最も古い物と思われます。
明治後期の築ですがプロテスタント系の教会ならではの洗練されたモダンな意匠は100年以上を経た今も古さを感じさせません。
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by sunshine-works | 2011-03-23 23:55 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 03月 19日
旧土居銀行本店
岡山県津山市の近代建築その14

津山の中心街から西へ、出雲街道に沿った旧市外地の古い町並みの中に一際目立つ木造洋風建築が現れます。現在作州民芸館として使われているこの建物は、かつて津山を基盤として設立された土居銀行の本店建物として建てられました。大正9年築。
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土居銀行は明治30年に創設された地場銀行でしたが、その後は当時の地方銀行と同様、周辺他行との合併を繰り返し、作備銀行、山陽銀行を経て現在の中国銀行の母体の一つとなりました。
岡山北部の中核都市津山を基盤としていた銀行に相応しく、重厚な古典様式に法った風格を備えた木造洋館です。
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張り出した両脇の中央に設けられた玄関。
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現在は民芸品や強度資料の展示施設として公開されており、館内は銀行店舗当時の状態が良く残されています。
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遠景から眺めた側面。後ろ半分が腰屋根を乗せた寄棟になっています。
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裏側の南面。2階に大きな窓、1階に回廊が巡らされ、正面側とは大きく様相が違なります。
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隣の建物との狭い境に見える東面。
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この旧土居銀行本店は、中小の銀行が乱立した時期の地方銀行建築として貴重な現存例であり、岡山県内では数少ない明治期の木造の銀行建物でもあります。
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by sunshine-works | 2011-03-19 23:26 | Trackback | Comments(0)
2011年 03月 15日
中島病院旧本館
岡山県津山市の近代建築その13

津山の中心市街の一角に大正6年築の病院建物が残されています。開業以来約80年に亘って中島病院本館として使われたこの建物は、現在同病院の記念館として利用されています。設計:池田豊太郎
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木造2階建て、表面を掻き落としたモルタル壁仕様、正面玄関にはのコリント式柱で支えられたバルコニーを儲け、上部にドーム屋根を飾ります。個人病院としては中規模程度の大きさですが、装飾豊かで見所の多い建物です。
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4本のコリント柱や石貼りの入口飾り、梁や庇に貼られたレリーフ等、意匠を凝らした玄関周りです。
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掻き落としのモルタル壁に石枠で飾られた縦長窓が並びます。
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以前は内部非公開でしたが、現在は自由に見学可能です。
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大正期の医院建築の優れた現存例として極めて価値の高い建物と思います。
津山の中心市街地には多くの近代建築が現存していますが、随所に施された装飾や多彩な建築表現はこれらの中で随一とも思える素晴らしさです。
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by sunshine-works | 2011-03-15 23:52 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
2011年 03月 08日
濱甲子園倶楽部会館
西宮の近代建築その32

阪神甲子園駅の南側、甲子園浜にかけての一帯に昭和初期に阪神電鉄が開発した郊外住宅地が広がっています。
現在も戦前の名残を留める古い住戸が点在するこの一角に、当時の販売事務所兼モデルルームだった建物が残されています。昭和7年に建てられたこのモダンな洋風住宅はその後地域の自治会館に転用され、今日も現用施設として使われています。
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阪急資本が山の手に多くの住宅地を開発していった大正後期から昭和初期、武庫川の支流跡地の払い下げを受けた阪神電鉄はこの地を都市近郊のリゾート地とすると共に、その周辺に住宅地を造成していきます。山の手に対して海の手と呼ばれたこの一帯も阪急沿線と並んで阪神間モダニズムの時代を代表する近代住宅地として開発されていきました。
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一見すると周囲の家屋と見分けのつかない現代風の建物ですが、当時最先端のモダニズム住宅の要素が各部に盛り込まれています。80年を経た今も全く古さを感じさせません。
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正面入口部分は大幅に改修されています。
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切妻屋根の印象は純和風の色合いが強いのですが、洋風意匠を随所に取り込んだ近代和風とも言うべき垢抜けた仕様となっています。
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この建物の特徴として、野趣に富んだ表現が各部に盛り込まれている事があげられます。それらの多くは内装に見て取れますが、2階の手摺や窓枠からも同種の趣が感じられます。
★室内の様子はこちらのサイトに詳しい紹介があります。
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昭和初期にこれ程の先進的な住宅が建てられていた事に驚かされます。現在の戸建て住宅の原型として極めて貴重で資料価値の高い建物と思います。
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by sunshine-works | 2011-03-08 23:47 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(2)
2011年 03月 04日
旧武庫川高等女学校本館(武庫川女子大記念館)
西宮の近代建築その31

西宮市の東南部にある武庫川女子大学は日本最大規模の女子大として知られています。このキャンパスの一角に前身の武庫川高等女学校の旧校舎が残されています。昭和14年、この地に建学された時に本館として建てられました。
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木造2階建て、正面入口に大きな切妻屋根のファサードを構え、三角ペディメントに校章を象ったオーナメントを飾ります。時局が切迫していた時期の建物ですが、風格を備えた堂々たる意匠です。
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記念館として保存されているのは旧校舎の中央部分です。この地域は近くに軍需工場があった事で戦時に激しい空襲を受けました。武庫川高等女学校の校舎も空襲により多くの被害を受けた様ですが、奇跡的に焼け残った中央部が残されたと思われます。
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正面玄関。両脇に石柱が添えられ、床にも石が張られています。この時期の建物としては相当に贅を尽くした意匠と思えます。
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側面は途中で切られているようで、断面は違和感の無い様に下見板で仕切られています。
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この校舎は表と裏が殆ど同じ造りになっています。南側が裏面と思われますが、玄関上部にバルコニーがあるのとペディメントのオーナメントが異なる以外はほぼ同じでしょうか。
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南面からの眺め。玄関はやや小さめとなっていますが、基本的な造りはほぼ共通の仕様に見えます。
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広いキャンパスの中に残る小さな建物ですが、周囲に並び建つ現代建築の校舎に引けを取らない存在感を示しています。この武庫川女子大記念館は兵庫県内に残る数少ない旧制女学校の校舎として極めて貴重な現存例と言えるでしょう。
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by sunshine-works | 2011-03-04 23:42 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)