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2011年 02月 28日
水尾写真館
香川県善通寺市の近代建築その2

土讃線善通寺駅から西へ伸びる大通りは善通寺への参道として、また陸軍11師団の兵営を結ぶ道として発展して来ました。現在でも通り沿いには往時の賑いを偲ばせる古い商家が幾つも残っています。
この道の途中、かつて騎兵連隊の正門が置かれていた場所の向かいに古い木造洋館が建っています。この建物は当地で80年以上も続く写真館の店舗兼住宅として建てられました。昭和2年築。設計・施工:不詳
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木造下見板張り、寄棟和瓦葺き。
正面中央の大きなペディメントや1階に設けられたショーウィンドウに当時の典型的な店舗建築の姿を留めます。
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1階部分には大きな硝子のショーウィンドウが両側を飾ります。
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正面ファサードを飾るペディメントには店名の水尾の文字が刻まれています。
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かつて軍都として栄えた都市に於いて写真館の果たした役割はとても重要な物でした。
故郷を離れ戦地へ赴く将兵達にとって、一枚の写真は格別な意味を持つ物でした。
今尚当時の姿で残るこの写真館は往時の軍都善通寺の賑わいを今に伝える貴重な歴史遺産となっています。
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by sunshine-works | 2011-02-28 23:39 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 24日
金比羅宮宝物館
香川県琴平町の近代建築その2

参詣者で賑わう金毘羅宮の参道。象頭山の中腹にある社殿まで延々と続く石段を登って行くと、脇道に和洋折衷様式の石造建物が見えてきます。この建物は金毘羅宮の宝物館として明治38年に建てられました。設計は文部省技師の久留正道。
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金毘羅宮の参道に建つ建物だけに各所に和風の意匠が採り入れられています。唐破風の庇を持つ玄関、城郭のような入母屋造りの屋根、寺院を思わせる2階バルコニーの意匠等、洋の中に和を巧みに取り合わせた独特の様式となっています。
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南平面のバルコニー。銅版が張られています。
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こちらは裏面。宝物館に相応しい石造のがっしりとした構えです。
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東京、奈良、京都に建てられた帝室博物館がわが国の博物館建築の始まりとなりましたが、この金比羅宮宝物館は地方の一施設ながら、これらの直後に建てられた同種の建物として極めて意義ある存在とされています。
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by sunshine-works | 2011-02-24 23:39 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
2011年 02月 20日
因美線美作河合駅
岡山県津山市の近代建築その12

岡山と鳥取の県境に位置する因美線美作河合駅。この駅舎も開業時の姿のまま今尚現役で使われています。
昭和6年築。
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知和駅と同じ様に山間いにポツンと建つ木造下見板貼りの小さな駅舎です。中央から右に寄せて小さな切妻屋根の玄関庇を持つこの時代の地方木造駅舎に共通した規格で造られています。
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入口から小さな待合室を経て真っ直ぐに改札口に至る構造はローカル駅舎に多く見られます。
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改札を抜けてホームへ。この駅も駅舎本屋から一段高い位置にホームが設けられています。
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現在は1面1線のホームとなっていますが、かつては保線施設や木材の積み出し所が併設された広い敷地を持つ駅でした。使われなくなった線路が当時の名残りを留めています。
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駅構内の片隅に手動式の転車台が残されています。主にラッセル車の方向転換に使われていたこの転車台は同規模の物としては全国で唯一の現存例です。
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かつて地域を支える重要な役割を担っていたこの駅も今では乗降客も僅かな典型的な過疎駅となってしまいました。
往時の名残を色濃く留めるこの駅は、その昔に鉄道が果たした役割を偲ぶ歴史遺産として極めて価値のある物となっています。
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by sunshine-works | 2011-02-20 23:43 | Trackback(1) | Comments(0)
2011年 02月 16日
因美線高野~那岐間の橋梁②
岡山県津山市の近代建築その11

美作の因美線に残る戦前の鉄道橋梁の特集、2回目の今回は県境付近の3橋を紹介します。
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知和駅の手前、物見峠へ続く県道脇の谷間に架かる太郎渕橋梁。楕円のコンクリート橋脚はこの線区に共通ですが、この橋脚と後に紹介する松ボウキ橋梁の2橋は表面に石が貼られています。
この区間の橋梁は昭和3年~5年頃の因美南線の3期工区の工事によって架けられたものです。
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第二加茂川橋梁。美作河合駅の北側、木々の間に埋もれるように橋が渡ります。
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この区間で最も大規模な橋梁がこの松ボウキ(ホウキは山の下に川を書きます)橋梁。道路を跨いで尾根から尾根に橋桁が渡ります。
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山を背後に高さ100メートル近い円柱橋脚がそびえる景観は迫力満点です。
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長閑な自然の中に鉄道路線が織りなすダイナミックな景観は地方ローカル線ならではの醍醐味です。
中でも山深い中に多くの橋梁が点在するこの因美線の沿線風景は格別な味わいがあります。
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by sunshine-works | 2011-02-16 17:51 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 12日
阪神間の各線駅舎3
阪神間に残る戦前築の駅舎探訪その3、最後は神戸市東部の駅を紹介します。

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阪神電鉄本線住吉駅

灘の酒造地帯に近い阪神電鉄住吉駅。昭和4年に建てられた駅舎が今も使われています。
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階段に沿って並ぶ丸窓。この駅舎の大きな特徴となっています。
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段違いに設置された美しいアールを描く庇。阪神の駅舎で随一のモダンな駅舎です。
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腰周りに廻らせたスクラッチタイル。阪神電車の駅舎では希少な例です。
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丸窓を内側から。
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ホームも当時の状態で残されています。
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阪神本線御影駅
駅舎本屋は建替えられていますが、ホーム上屋の一部に戦前の名残りが窺えます。
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東海道本線摂津本山駅

阪神間のJR駅舎で最も竣工時の姿を留めている摂津本山駅。北側、南側両方ともに昭和10年築の駅舎本屋が健在です。
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風格のある美しい駅舎ですが建替えの計画が発表されています。残念ながら近年中に取り壊されてしまうそうです。
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ホーム上屋を支える古レールの支柱も当時のままです。
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地下通路を潜って南側駅舎へ抜けます。
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南側駅舎を上から見た図。和瓦葺きの大きな構えの建物です。
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こちらは北側駅舎。こちらは更に大きな建物です。
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阪急神戸本線春日野道駅

阪急神戸線の高架区間にある小さな駅。昭和11年に開設されました。
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ホームの幅そのままの非常に狭い通路。ホームもかなり狭くなっています。
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by sunshine-works | 2011-02-12 17:32 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(4)
2011年 02月 08日
阪神間の各線駅舎2
阪神間に残る戦前築の駅舎探訪その2は西宮市と芦屋市の4駅を紹介します。

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東海道本線甲子園口駅

武庫川橋梁を越えて1駅目、西宮市の東端に位置する東海道本線甲子園口駅は昭和9年に開設されました。南側の駅舎とホーム上屋はその後に改築されていますが北側駅舎は竣工当時の姿で残されています。

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小さな建物ですが庇の持ち送りや入口の周り縁の飾り等に凝った意匠が見られます。
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阪急今津線阪神国道駅

阪急の支線、今津線が阪神国道(国道2号線の別称)を跨ぐ位置に設置された橋上駅として昭和2年に開業しました。
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駅舎と言うよりは橋脚や橋の構造部そのものと言った方が適切かもしれません。
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現在では一般的な高架駅の景色ですが、竣工した昭和2年当時は全国でも数少ない存在でした。
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ホームの南に国道2号線の架道橋、北に東海道本線の架線橋が見えます。*詳しくはこちら
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阪急甲陽園線甲陽園駅

阪急夙川駅から僅か3駅を結ぶ短い支線の終点が阪急甲陽園駅です。阪神間を代表する高級住宅街の玄関駅として大正13年に設置されました。
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駅舎本屋は竣工時の状態で残されています。
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改札を抜けてホームへ。
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現在は1面1線のみ使われているホーム。つい最近まで竣工当時のホーム上屋が現存していました。
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石を積み上げたホームの基盤が今もそのまま使われています。
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阪神電鉄本線芦屋駅

阪神電鉄本線芦屋駅は芦屋の中心部を流れる芦屋川の橋上駅として明治38年に開設されています。現在の駅舎は昭和15年に建てられました。
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2面2線のホーム。その後に手を加えられていると思われますが、側壁と上屋を支える柱に竣工時の姿を留めています。
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by sunshine-works | 2011-02-08 21:05 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 04日
阪神間の各線駅舎1
大阪と神戸に挟まれた「阪神間」と呼ばれる地域は明治38年の阪神電鉄開通と大正9年の阪急神戸線の開通以降、先発の旧国鉄を交えた3社による激しい競争を繰り広げてきました。関西の大動脈とも言うべきこの区間にはまた戦前の名残りを留める多くの駅舎が点在しています。今回から3回に亘ってこれら線区に残る古い駅舎を紹介していきます。

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阪急伊丹線新伊丹駅

阪急神戸本線の支線の一つ伊丹線の新伊丹駅。阪急電鉄は沿線に多くの支線を延ばして宅地開発を行いましたが、大阪から至近のこの伊丹も高級住宅地として発展しました。昭和10年築。
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外観だけでなく構内も昔の姿のままで残っています。
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阪急伊丹線稲野駅

同じく伊丹線の猪名野駅。前面に庇が新設されていますが駅舎本屋は竣工当時のままです。大正10年築。
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阪急神戸線武庫之荘駅

尼崎市の北部に阪急資本によって開発された武庫之荘住宅地。武庫之荘駅は整然と区割りされた町並みが広がる分譲地の入口に昭和12年に開設されました。
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阪神電鉄本線武庫川駅

尼崎市と西宮市の境を流れる武庫川を跨ぐ橋上駅として設置されている武庫川駅。明治38年に始まる歴史を持ちますが現在の駅舎はその後数度に亘って改修されました。ホーム上屋の一部と橋桁部分に昭和初期の名残りが伺えます。
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*次回は西宮~芦屋の駅舎を巡ります。

by sunshine-works | 2011-02-04 22:56 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(4)