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2010年 12月 26日
土讃線黒川~讃岐財田間の橋梁
香川県まんのう町の近代建築その2

香川県多度津から高知を結ぶ土讃線はまんのう町南部の山間いで財田川とその支流を鉄橋で渡り、徳島県境へ進んでいきます。この地点には大正12年の同区間開通時に架けられた橋が現存し、現役施設として使われています。
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民営の讃岐鉄道を前身とする土讃線は現在のJR四国の路線で最も古い歴史を持つ線区として明治22年に敷設され、丸亀から琴平の間を結んでいました。
当初は、本州との船便の拠点だった多度津・丸亀と金比羅宮を結ぶ参宮鉄道としての色合いが強かった同線ですが、その後に四国の南部を結ぶ幹線として徳島、高知への延伸が計画され、大正12年にその第1区間として琴平~讃岐財田間が開通します。

黒川駅のすぐ横手の財田川を渡る黒川橋梁。楕円のコンクリート橋脚の上を上路プレートガーダーが渡されます。
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同じ香川県の鉄道橋梁で同時期に施工された琴電琴平線の土器川橋梁や香東川橋梁が旧来の石積スタイルの橋脚を用いているのに対し、土讃線橋梁は以後の標準となるコンクリート橋脚が使われています。
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讃岐財田駅近くの多治川を渡る橋梁。この橋も同時期の竣工です。黒川橋梁と同様に桁高の高い橋ですが、橋脚は楕円ではなく角柱が用いられています。
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四国の瀬戸内側と太平洋側を結ぶ主要路線とは言え、土讃線は開通以来現在まで単線のまま、電化区間も琴平までで、山間のこの辺りともなると、一際長閑な風景となります。
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山間いの小さな川だけに川幅は狭いのですが、両側の土手のレベルに合わせて高い位置に橋が架けられています。
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この二つの橋梁は規模としては然程大きな橋ではありませんが、交通不便な山間部の架橋は相応の難工事になりました。
この後更に徳島・高知へ伸ばされて行く土讃線には大規模な橋梁工事が連続しますが、その度に技術を積み重ね、優れた鉄道橋を数多く残していく事となります。
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by sunshine-works | 2010-12-26 23:34 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 12月 22日
琴電琴平線 土器川橋梁/綾川橋梁
香川県まんのう町の近代建築その1

琴平街道に沿って西へ進む琴電琴平線は、終点琴平の手前で再び大きな川を渡ります。
琴電の鉄道橋として最長の長さとなるこの土器川橋梁は同線開設時の大正15年に架けられました。
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16基の橋脚の上を鋼製の上路プレートガーダーが渡ります。
同時期に施工された香東川橋梁と土器川橋梁は全く同じ規格で造られており、周囲の景色も似ているこの二つの橋は見分けがつかない程そっくりです。
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プレートには「大正15年・日本橋梁」の銘が刻まれています。
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表面に石を積んだ楕円の橋脚。昭和以後はコンクリート橋脚に取って代わられ、石積橋脚はこの時期の物が最後となります。
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一級河川とは言えこの付近の土器川は水量が少なく、橋脚のほとんどは広い河川敷に立てられています。
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こちらは土器川の手前、綾川を渡る琴電橋梁。琴平街道の綾川橋を上流に遡った地点に架けられています。
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この橋も同様な規格で造られていますが、水面から高く架けらている為、印象がかなり異なります。
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これまで数回に渡って琴電の主要な橋梁を紹介してきましたが、各線にはこの他にも開設以来使われている小規模な橋梁が多数残っています。全線が鉄道博物館とも言われる琴電の中で、これらの橋梁群は最も歴史を感じさせる素晴らしい近代化遺産となっています。
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by sunshine-works | 2010-12-22 23:42 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 12月 18日
吉井川橋梁
岡山県津山市の近代建築その7

津山市街地を東へ流れてきた吉井川は津山駅の東方で大きく向きを変えて南へ下って行きます。姫新線はこの屈曲部で再び吉井川を渡り、因美線と分岐する東津山を経て姫路方向へ向います。
吉井川に架けられた姫新線橋梁シリーズの最後は3橋の中で最も長い吉井川橋梁を紹介します。
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中州を挟んで150メートル余りの広い川幅を14連のプレートガーダーが渡ります。岡山の内陸部に架けられた鉄道橋の中では最も長い橋となります。
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鬱蒼と木々が茂る中州を経て対岸へ渡ります。広い川幅を真っ直ぐに結ぶ橋ですが、豊かな緑に遮られて全長を一望できません。
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鉄道橋梁の名称は下流側から第一、第二と付けて行くそうですが、「吉井川橋梁」の次に「第一吉井川橋梁」の名称が来るのは何とも不思議な感じです。
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橋の東側にも小さな橋が並びます。
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本橋の隣に架かる加茂川橋梁と名のある小さな橋。この後の因美線でも同じ名称の橋が出て来ます。
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姫新線開設時の最大の工事となった吉井川橋梁の完成で津山は山陰とも結ばれ、陰陽連絡線の中継点として大きく発展を遂げる事となります。
開設時の姿を留めるこれら吉井川の3つの橋は美作の鉄道の歴史を伝える近代化遺産として貴重な資料となっています。
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by sunshine-works | 2010-12-18 23:53 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 12月 14日
津山機関車庫
岡山県津山市の近代建築その6

第一吉井川橋梁を越えた姫新線の上り列車は、程なくして美作の中心駅、津山駅に到着します。
この津山駅には、全国でも数例となった旧国鉄時代に建てられた扇形機関庫が残されています。
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明治31年の津山線開通に始まる美作の鉄道網は、その後大正8年に因美線、大正12年に作美線(後の姫新線)が相次いで開通、昭和11年の姫新線の全通で東西南北を結ぶ路線が整います。その交点に位置する津山駅は各線区の車両が乗り入れる内陸部の中心駅として重要な役割を担っていました。
この機関庫は美作の鉄道網が完成した昭和11年にそれまでの機関庫に代わって建てられたものです。
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蒸気機関車を風雪から守り、整備・点検を行う車両基地として各地に設けられた機関庫には並列に車庫が並ぶ短形式の物とこの津山機関庫に見られる扇形式の物がありました。
扇の要にあたる箇所に転車台を設置し、円滑に車両の出し入れが出来るこの形式は構内の配線が複雑にならずに済む利点があり、大規模な機関庫にはこの形式が多く用いられました。
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転車台を基点として半円形に並ぶ車庫は全部で17線。現存する扇形機関庫の中では京都梅小路機関庫の20線に継ぐ規模です。
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車庫内部。外観同様のコンクリート打ち放し仕様です。
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裏面は天井の高さまで窓が並び、薄暗い庫内を照らします。
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裏面の数箇所にこのような鉄扉が設けられています。
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外側から見た裏面の景色。窓枠は当時のままと思われますが、硝子の多くは割れています。
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車庫の上部にも採光用の開口部が設けられています。
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側面に設けられた丸窓。ほとんど装飾らしきものが無いこの建物の数少ない意匠表現です。
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蒸気機関車の退役と共に各地の機関庫は役割を終え、その多くは取り壊されて行きました。扇形機関庫の現存例は全国で僅かに13を数えるだけとなりましたが、これらは蒸気機関車の時代を語る上で欠かせない鉄道施設として伝えて行くべき遺構と言えます。
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by sunshine-works | 2010-12-14 23:47 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2010年 12月 10日
姫新線 第一吉井川橋梁
岡山県津山市の近代建築その5

第二吉井川橋梁
から東へ約4キロ、新見発の上り姫新線は再び吉井川を渡り、津山駅へ向います。
この場所に架けられた第一吉井川橋梁も同区間が開設された昭和2年に竣工しています。
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第二吉井川橋梁と橋脚・橋桁はほぼ同規格ですが、径間長はやや長い21.3メートル、橋桁も6連と第二吉井川橋梁を上回ります。
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上流側からの眺め。全体に緩やかに弧を描いて架けられています。
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鬱蒼と草が茂る河川敷を渡る橋桁。
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古くから美作の中心都市として栄えた津山は、姫新線の開通によって東西の地域と短時間で結ばれ、更なる発展を遂げます。
津山の中心部へ多くの物と人を渡してきたこの橋は地域の繁栄を支えた近代化遺産として貴重な物と言えます。
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by sunshine-works | 2010-12-10 23:25 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2010年 12月 06日
阪急電鉄今津線の橋梁・高架軌道
西宮の近代建築その30

宝塚から西宮市今津を結ぶ阪急電鉄今津線は大正15年に始まる長い歴史を持つ線区です。現在は西宮北口駅で今津北線と今津南線の二つの線に分けられていますが、かつては全区間が一本の線路で繋げられていました。
この今津南線の途中区間、東海道本線と国道2号線を跨ぐ箇所には同線開業時に架設された高架桁、架道橋、跨線橋が現役施設として使われています。
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西宮北口駅を出て最初に差し掛かる東海道本線を渡る跨線橋。線路と側道を大きなトラスで跨ぎ、前後にプレートガーダーの高架桁を繋ぎます。橋の長さに比べて背の高いトラスが特徴的です。
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ビール工場のタンクの脇を抜けて連なる高架桁。次の阪神国道駅へ繋がります
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高架桁はそのまま南へ続き、橋上に設けられた阪神国道駅に至ります。
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阪神国道駅はその名の通り阪神国道(国道2号線の通称)に面した駅で、昭和2年開業時の駅舎が現在も使われています。
この駅の南側、国道2号線を渡る架道橋も同線開通時に架けられたものです。
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表面にびっしりと打ち込まれたリベット。この時代の橋ならではの趣です。
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開業時に架設された高架橋部分は橋の南詰で終わり、この先の築堤の上を緩やかに地上へと下りて行きました。(現在は終点の今津まで全区間が高架となっています)
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各地の都市部に残る古い高架桁の中でも、このように鋼桁と鉄橋が連続する高架区間は珍しく、竣工当時のまま現存している例として希少な物と言えます。
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by sunshine-works | 2010-12-06 23:32 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2010年 12月 02日
東海道本線武庫川橋梁
尼崎の近代建築その16/西宮の近代建築その29

兵庫県の近代建築探訪、前回は福知山線の廃線跡を紹介しましたが、この後しばらく鉄道に関連した近代化遺産を巡っていきます。

日本で2番目に開通した大阪神戸間の開通に始まり、大手私鉄が競って路線を伸ばしたこの地域には数多くの鉄道遺産が残されています。今回紹介する東海道本線武庫川橋梁も開業以来今日まで、長い歴史を刻んで来ました。
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明治7年の大阪神戸間の開通時に日本最初の鉄橋として架けられた武庫川鉄橋は、その後に架け替えと改修を重ね、現在の橋は明治期~平成に至る各時代の部材が組み合わされた物となっています。
上り線に使われている煉瓦橋脚は明治末~大正中期頃、その他のコンクリート橋脚は同区間が複々線化された昭和12年の築、プレートガーダーの橋桁は大正から現代までの物が混在していると推測されます。
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この付近は地面より水位が上にある「天井川」となっている為、線路は築堤で嵩上げされた路盤上から橋に入ります。河川敷を低い高さで渡り、川面に狭い間隔で並ぶ橋脚の上へ運ばれていきます。
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6基の橋脚で川を越え、対岸へ渡ります。
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鉄板と支材をリベットで組んだだけの単純な構造ですが、複雑に鋼材が組み合わさったトラス橋の美しさとはまた異なる、力強い迫力を感じます。
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上流側に並ぶ重厚な煉瓦橋脚。
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武庫大橋から望む武庫川橋梁。背景の山並みや川面の景色に美しいシルエットが浮かびます。
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by sunshine-works | 2010-12-02 23:50 | 近代建築 | Trackback | Comments(4)