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2008年 04月 30日
旧小寺家厩舎
神戸中央区の近代建築その43

県庁の北側、現在「相楽園」として公開されている庭園は明治初期に神戸一の資産家だった小寺泰次郎の邸宅があった場所です。この庭園の一角にレンガ造の厩舎(馬小屋)が保存されています。小寺家の屋敷跡で唯一残る当時の建物です。
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幕末期に三田藩は藩政再建を図るべく開港間もない神戸に藩の資金で貿易商社を設立し成功を収めます。
この時の中心人物の一人であった小寺泰次郎は独立後もそのまま神戸で事業を続け、当時まだ寒村だった神戸村一帯の土地を買い占めて行きます。(因みに、三田藩主だった九鬼隆義も同様に神戸で土地事業を進め、現在の主要な街区の大半はこの二人の所有となっていました。)土地取引で財を為し、大富豪となった小寺泰次郎は官庁が集まるこの場所に当時神戸で数々の建築を手掛けていた河合浩蔵の設計で壮大な邸宅を建てる事となります。
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邸宅が完成した明治44年、小寺泰次郎はすでに没し、息子謙吉が当主となっていました。小寺謙吉はその後衆議院議員を務め、戦後には神戸市長に就く事となります。また父祖の出身地である三田市に私学三田学院を創設します(このすばらしい校舎は改めて三田市編で紹介します)。
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建物についての説明板を抜粋すると「煉瓦造りの一階に木造の小屋組をのせたドイツ風の重厚な造りで、正面一階は馬車庫、二階は厩務員の宿舎、東側は吹き抜けの高い天井をもつ馬房」となっています。
こちらが馬車庫となっている正面側。円筒の塔は階段室です。
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屋根上のドーマ窓
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東側の馬房
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馬車庫の裏側です
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阪神間には明治以来数々の洋館が建てられましたが、その中でも小寺家邸宅は随一の規模に思えます。残念ながら主屋は戦災で失われ往時の姿を偲ぶことは出来ませんが厩舎にしてこのすばらしい造りですから、さぞかし豪奢な屋敷だったことでしょう。
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by sunshine-works | 2008-04-30 23:51 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 04月 24日
旧兵庫県庁舎(兵庫県公館)
神戸中央区の近代建築その42

現在の兵庫県庁舎の南東には昭和58年まで使われていた旧庁舎が県公館として保存されています。この建物は山口半六の設計により、明治35年に建てられました。
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廃藩置県によって設けられた兵庫県の県庁舎は当初、現在の兵庫区に置かれていました。その後この近辺(地方裁判所のあたり)に移され、明治35年、4代目庁舎として当地に建てられたのがこの建物です。
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設計者の山口半六は技官として多くの学校建築を手掛けました。留学先のフランスの影響を受けた優雅なデザインの作品を全国各地に残しています。一旦引退した後、兵庫県に請われてこの庁舎を設計しましたが残念ながら完成を見ることなく亡くなってしまいました。
フランスルネッサンス式の荘厳なデザインです。現存する県庁舎の中では数少ない明治期に建てられた煉瓦造の庁舎です。
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中庭を取り囲んだロの字型の大きな建物です。南面に正門が設けられています。
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側面に整然と窓が並びます。
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東面中央の入口
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通りに面した北側にも大きな玄関が設けられています。
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こちらも同様に美しく窓が並びます。
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各地を代表する近代建築として建てられた県庁舎も戦後に続々と建て替えが行われ、現役で使われている庁舎は僅かになってしまいました。この兵庫県庁舎は昭和58年に新庁舎が完成した後、修復工事を行って迎賓館や資料館として再利用されることとなりました。地方財政が厳しい中、旧施設を保存し活用していくことは難しくなっていますが、地域の歴史が刻まれた庁舎を後世に残していくことは大変有意義な事と思います。
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by sunshine-works | 2008-04-24 02:38 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 04月 20日
神戸教会
神戸中央区の近代建築その41

JR線の北側を東へ向かいます。山手幹線沿いに聳える尖塔が見えてきます。この神戸教会は昭和7年に原科準平の設計で建てられました。
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現存する神戸のプロテスタント系の教会建物の中では旧ユニオン教会に次ぐ歴史を持っています。現役の教会としては神戸で最も古い教会です。
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早くから欧米文化に接してきた神戸は関西のキリスト教普及の先進地でもありました。開港当初、外国人居留地内に建てられた教会は街の広がりと共に周辺地区に移り、地域に定着して行きます。特にこの山手地区には数多くの教会が建てられました。
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設計者の原科準平は大蔵省の技官として多くの庁舎の建築を手がけた後、独立して設計事務所を興します。神戸にも多くの作品が建てられましたが失われたものが多く、現在ではこの教会が唯一残っています。
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階段を上った先に大きなアーチに囲まれた正面入口が設けられています。
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一際高く聳える尖塔
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こちらは側面です。
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裏側の様子
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西側の通用口から覗いた内部
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詳細ディティールをもう少し
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多くの宗派によって神戸市内各所に建てられた教会は阪神淡路大震災によって大きな被害を受けます。ほとんどの教会が全壊、ないしは崩壊を免れたものの修復不能で取り壊しの憂き目を受ける中、唯一この教会だけが改修されて元の姿を取り戻します。戦災と震災を潜り抜けたこの教会は神戸の文化と歴史の欠かせない遺産となっています。
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by sunshine-works | 2008-04-20 00:40 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2008年 04月 16日
神戸地方裁判所
神戸中央区の近代建築その40

神戸駅から北方向、山手側へ探訪を進めます。オフィスや商業地区で賑わうJR線の南側に対し、北側は官庁や文教施設が集まる閑静な雰囲気漂う一帯となっています。この一角に置かれている神戸地方裁判所には旧建物の煉瓦壁が再生保存されています。元々の建物は明治37年に河合浩蔵の設計で建てられました。
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古典様式で建てられた煉瓦造3階建の大きな建物でした。河合浩蔵が留学したドイツの影響を受けていると言われています。
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河合浩蔵は技官として多くの官公庁の建物を手掛けた後、神戸で独立しました。置塩章や清水栄二、渡辺節等が大正・昭和初期に神戸で活躍しましたが、その前の時代を代表する設計者として創成期の神戸に様々な作品を残しました。ちなみに、この神戸地方裁判所は氏の独立前の最後の作品になります。
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ほぼ全周に渡って旧建物の外壁が取り込まれています。建物の高層化に伴って屋根は撤去され、代わりに鏡面仕様のガラス壁で上層階が重ねられています。
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上層部を目立たせない配慮からガラス壁としています。空と同化させる効果を狙ったのでしょうが、やはり違和感は拭えません。
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保存された部分は明治の造りとは思えない良好な状態です。
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この建物の再生についてはその賛否が様々に論議されて来ました。外壁の保存方法としては他にも例のある手法なのですが、ガラス壁の新造部分との相性が想像以上に無理があったようです。そもそも、敷地に余裕があるこの施設を、あえて高層化する必要があったのでしょか。新館を建て、旧館は補強して別用途に転用したほうが良かった様な気がします。
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by sunshine-works | 2008-04-16 00:50 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 04月 12日
旧神戸瓦斯本社(神戸ガスビル)
神戸中央区の近代建築その39

神戸駅の西側に位置する新開地は、かって神戸最大の歓楽街でした。この新開地の入口に美しいアールを描いて建つこのビルは神戸瓦斯株式会社の本社として昭和12年に建てられました。関西で数々の名建築を手掛けた渡辺節の設計です。
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新開地は湊川の付替えに伴って河川敷を埋め立てて開かれた街です。後背地に福原遊郭を控え、演芸場や飲食店が軒を並べる東京の浅草や大阪の新世界に相当する庶民の娯楽の中心地でした。
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神戸を中心とした兵庫県を供給エリアとした神戸瓦斯ですが、昭和20年に大阪ガスと合併します。現在は大阪ガスの事業所として使われています。
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現在は2階以上の外壁にパネルが貼られていますが、当初は化粧タイルが貼られていたようです。
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歓楽街だった新開地の入口にはこの神戸瓦斯の本社と、ライバルにあたる神戸電燈の本社が並んで建てられていました。近代都市を支えるインフラ供給者である両社は神戸で最も賑やかだった場所に居を構える事となりました。需要拡大に利用者への啓発が欠かせない両社にとって、この場所は最良の場所だったのかも知れません。本社機能と併せて館内はショールーム機能や料理教室を開くPRスペースとなっていました。
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裏側は4階部分に張り出し窓がある以外は特徴の無い、あっさりしたデザインです。
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定礎には皇紀で竣工年が記されています。
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渡辺節の代表作である綿業会館、大ビル、大阪商船ビル等と比較すると、このビルはやや趣を異にします。外観はモダ二ズムのスタイルでまとめられ、館内はアールデコ風にデザインされています。
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市松模様に配色された床や当時では珍しいステンレスフレームのガラスドアが配された廊下は現在の感覚でも斬新なデザインです。
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磨き上げたステンレスが美しいエレベータ扉。
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神戸一の歓楽街として栄えた新開地ですが、繁華街が三宮に移った今では街の様相はすっかり様変わりしてしまいました。演劇場や映画館はマンションに姿を変え、沿道の店舗も今は数える程になってしまいました。このビルはモダンな建物が立ち並んでいた往時を偲ばせる唯一残された遺構になっています。
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by sunshine-works | 2008-04-12 01:44 | 近代建築 | Trackback(2) | Comments(2)
2008年 04月 08日
JR神戸駅
神戸中央区の近代建築その38

東海道本線の終着駅で山陽本線の始発駅でもあるJR神戸駅。昭和5年に建てられた駅舎が現在も使われています。設計:鉄道省
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神戸駅は明治7年、大阪-神戸間に鉄道が敷設された際に置かれた駅です。現在の駅舎は初代の煉瓦造駅舎から数えて3代目にあたり、東海道線の終着駅に相応しい風格を備えた造りとなっています。
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鉄道が敷かれた当時、三宮や元町はまだ市街化されておらず、この一帯が神戸の中心でした。駅周辺に官公庁や事業所が集まり、隣接する新開地や湊川地区は商業地区・歓楽街として大阪をしのぐ賑わいを呈していました。
東に市域が移ってしまった現在では、かっての繁盛ぶりを想像しづらいのですが、この立派な駅舎はその昔の栄えていた良き時代を偲ぶ事が出来ます。
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太い丸柱が並ぶコンコース内部。
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かっては多くの特急が発着した神戸駅も、やがて三宮駅にその座を奪われ、さらに新幹線開通によって中心駅としての役割を終えます。近代の神戸の街の基点となったこの駅は、各地の主要都市の駅舎の中では(東京駅を別格にすれば)現役で活躍する数少ない戦前に建てられた駅舎でもあります。
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by sunshine-works | 2008-04-08 00:15 | 近代建築 | Trackback(1) | Comments(0)
2008年 04月 04日
旧神戸港第4突堤信号所
神戸中央区の近代建築その37

ハーバーランドの隣は岸壁にそった遊歩道となっています。ここにはかっての神戸港信号所が移築保存されています。大正10年、新港第4突堤に建てられました。
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この信号所は沖合いの船舶に海象や警報を流したり、入出港の管制をする為の施設です。信号旗や電光によって情報を伝えていました。当初は第4突堤に建てられ、その後第5突堤に移り平成2年まで使用されました。
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石造の基礎の上に鉄骨のタワーが乗る構造になっています。高さ46メートル、上部の監視所とはエレベータで結ばれています。
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後方の神戸ポートタワーに引けを取らない美しいシルエットです。
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ハーバーランドの東側の棟の屋上にはかっての望楼が移築されています。この塔は信号所ではありませんが港の船舶の入出航を監視する施設として使われていたようです。
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このような特殊な施設は転用が利かず、役割を終えた後は撤去されてしまう事が多いのですが、この信号所のように優れた観光施設として利用する事も可能です。
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by sunshine-works | 2008-04-04 01:52 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)