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2008年 02月 28日
昭和ビル
神戸中央区の近代建築その28

元町から神戸駅方面を結ぶ栄町通りと海岸通りに挟まれた乙仲通り一帯は小規模な事務所ビルが並ぶ地域です。現在は古い建物を利用したブティックやカフェが軒を連ねる商業地域に生まれ変わりましたが、かっては通関業務の仲立ちをする事業者(乙種仲立業)の街区でした。
当時の雰囲気を色濃く残す事務所ビルの典型が今回紹介するこの昭和ビルです。詳しい竣工データは不詳ですが昭和初期の築と思われます。
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間口は狭く南北方向の奥行きが長い建物です。北面と南面に二つのエントランスが設けられていますが南側と北側ではかなりデザインが異なります。上記4枚の写真が北側入口、南側はこのようになっています。
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隣接する建物に接していた側面はいたって普通の造りです。
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道路際の窓だけがアーチ窓。この部分は建物と接していなかったのかもしれません。
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タイムスリップしたかのような館内。ほとんど当時のままのようです。
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贅を凝らした大手企業の事務所ビルと異なって内装も外観もごくシンプルですが実際には当時の大半のオフィスビルがこのようなビルだったと思います。
地味で小規模ながらもそれぞれに個性的で、有名ビルとはまた異なった魅力があります。
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by sunshine-works | 2008-02-28 02:12 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 02月 24日
旧住友銀行神戸支店
神戸中央区の近代建築その27

旧居留地内の近代建築を巡って来ましたが今回から元町から神戸駅にかけての近代建築を探訪していきます。
旧居留地と鯉川筋を挟んだ向かい側に建つこの建物は旧住友銀行神戸支店として昭和9年に建てられました。
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この建物も前回紹介した旧神戸海上火災ビルを手がけた長谷部竹腰建築設計事務所の設計です。大きなアーチを廻らせるデザインは共通していますが、こちらは付柱やアーチの縁飾りに細かい装飾を施し重厚なイメージに仕上げています。
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鯉川筋に面した東側。アーチ型に副えられた飾り柱がクラシカルな雰囲気を醸しています。
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アーチは北面にもありますがこちらはやや小ぶりで装飾も控えめです。
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3連アーチの両脇はこのような窓になっています。
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東面の玄関。入口は他にもコーナー部分と北側に各1箇所設けられています。
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西面はいかにも裏側と言った風情です。
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旧居留地から元町にかけての一帯は多くの銀行が並ぶ地域でした。戦災を生き残った銀行建物もその後の開発や震災の影響でほとんどが建替えられてしまいました。この建物も支店統合で閉鎖された後の行く末が心配されましたがブティックとして見事に再生されました。このような味わいのある建物を活かせるのはやはり商業施設が最適の様に思えます。
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by sunshine-works | 2008-02-24 01:25 | 近代建築 | Trackback | Comments(1)
2008年 02月 20日
旧神戸海上火災保険ビル(ニッセイ同和損害保険ビル)
神戸中央区の近代建築その26

旧居留地の中心部、明石町に建つこのオフィスビルは昭和10年、旧神戸海上火災保険会社の本社として建てられました。旧居留地のオフィスビルの中で竣工時から入居者が変わらず(会社名はその後数回変わっています)同一の用途で使われている数少ないビルです。設計:長谷部竹腰建築事務所
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現在はニッセイ同和損保の社名となっていますが、元々は神戸港で海上保険を扱う神戸海上火災保険会社の社屋でした。港湾都市の神戸には海上保険会社が数多くありましたが、戦前に建てられ現存している保険会社の建物はこの建物だけとなりました。
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階を貫いて続く大きなアーチ型、軒に付けられたコーニスが特徴となっていますが全体的には装飾要素は控えめです。
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それほど大きな建物ではありませんがアーチによって縦方向に伸びやかさが強調されます。大きなアーチを使うデザイン技法は住友系の建築によく見られる特徴ですが、この建物が住友の工務部から独立した長谷部竹腰建築事務所の作品である事をよく表しています。
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大きなアーチが描く曲線と窓を繋ぐ付柱の繰り返しパターンが美しいリズムとなっています。派手さはありませんが端正な印象です。
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さりげない部分ですが味わいのある細部。
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端に設けられた小ぶりな玄関
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神戸海上保険会社は戦時中に4つの損保会社の合併となる同和火災として統合され、その後ニッセイ同和損保へと変遷を遂げます。経済の一極集中によって神戸で設立された会社のほとんどは本社を東京へ移したり合併して東京資本の企業の支社に変わってしまいます。多くの会社が本社を置いたこのあたりも地元資本の会社は数える程となってしまいました。会社名は変わっても今なお現役で使われているこの建物はかってこの街で生まれた会社であることを偲ぶ貴重な存在でもあります。
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by sunshine-works | 2008-02-20 02:43 | 近代建築 | Trackback(1) | Comments(2)
2008年 02月 16日
旧ニューヨークナショナルシティ銀行神戸支店(旧居留地38番館)
神戸中央区の近代建築その25

旧居留地の元町駅寄りに大丸百貨店神戸店が建っています。本館は近年に建て替えられましたが、隣接するこの別館は元々は昭和4年にニューヨークナショナルシティ銀行神戸支店として建てられたものです。
設計:W.Mヴォーリズ
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戦前に日本に進出していた海外銀行の中で唯一のアメリカ系銀行がこのニューヨークナショナルシティ銀行です。(他にも数行ありましたが統合や撤退により消滅しています)
積極的に海外進出を果たした同行は日本国内に東京、大阪、横浜、神戸の4支店を有し、外国系銀行中最大の規模を誇っていました。
昭和4年に建てられたこの神戸支店は旧インターナショナル銀行の日本国内店舗を承継した同行が竣工させたものです。
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大正期から昭和初期に流行したアメリカンルネッサンス様式のデザインです。前面に並ぶ4本のイオニア式オーダーや目地の大きな壁面の貼石、入口上部のペディメント飾り等、ニューヨークやシカゴに建てられたオフィスビルを彷彿させます。同時期に建てられた同じく外資銀行であるチャータード銀行神戸支店も同じ様式に分類されますが、石材の素材感が違う事で印象も随分変わって見えます。
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昭和4年に新築された神戸支店ですが、米国資本の同行は日米関係の険悪化に伴って徐々に業務が制限されていきます。日米開戦の年である昭和16年には閉鎖となってしまい、銀行として使われたのは築後僅か10年足らずの短い期間に終わりました。
戦後も同行の店舗に復される事は無く、しばらく倉庫として使われていましたが、やがて隣の大丸百貨店の別館として再生される事となり現在に至っています。
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エントランスは南面と東面にそれぞれ設けられています。メイン入口の南側エントランス。
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重厚な玄関扉
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東面の入口
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東面に並ぶ窓。窓枠は当時のままのようです。
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こちらは西面の窓
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大丸の別館としてはこの建物の西に二つの大正時代の建物が存在していました。この二つの建物は取り壊されてしまいましたが、外壁のみ残されています。*かっての独逸染料合名会社と帝国酸素株式会社の社屋だったとの記録があります。
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内側の景色。
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このような建物が商業施設として再利用される例は数多く見受けられます。天井が高く開放感がある事や豪華な石を使った内装は商業空間として申し分の無い環境と言えます。神戸大丸は他にも大阪商船ビルの1階をインテリア売場として使用していたり、この建物の隣にあった別館を壁面保存し景観を守ったりと、古い建物の再利用に積極的な姿勢を示しています。街全体で演出効果を高めて行く同社の手法はさすが一流企業だけのことはあります。
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by sunshine-works | 2008-02-16 19:11 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
2008年 02月 12日
旧神戸証券取引所(神戸朝日ビル)
神戸中央区の近代建築その24

旧居留地の北端、三宮に程近い浪花町の一角に大きく弧を描く印象的な建物が建っています。この建物は昭和9年に渡辺節の設計で建てられた旧神戸証券取引所の外観部分を再生利用した物です。(平成6年改修)
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神戸証券取引所は東京、大阪に次ぐ全国3番目の証券市場として明治16年に創設されています。地域的には大阪に近接している神戸ですが、昭和42年に廃止されるまで独自に証券取引所が置かれていました。国際貿易港として発展を遂げた神戸とは言え、証券市場は東証や大証に比べて小規模な物でした。しかし、この取引所は東京や大阪の証券取引所を凌ぐ程大きくかつ豪華な建物に思えます。竣工した当時の神戸経済界には相応の勢いや先行き期待があったのかも知れません。
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昭和9年に建てられたこの建物ですが僅か10年程で取引所としての使命を終えてしまいます。昭和20年の終戦と同時に進駐軍に接収され、昭和28年に返還された後は映画館として使用される事となります(証券取引所は近くの別の建物で再開されていました)。その後再開発によって高層オフィスビルに建替えられる事となったのですが、元の建物を低層部として残し、内側に高層棟を組み込む形で保存される事となりました。海岸ビルの再建と同じような手法ですが年代的にはこちらが先になります。
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低層部として保存された旧建物は扇型に広がる前面部分がL型に組み合った基部に繋がった形で構成されています。現在の前面部分は角柱がオブジェの様に並んでいますが、かってはこの柱の間に外壁が廻らされていました。後方部分は当時の建物をそのまま活かして商業棟として使用されています。
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側面に設けられている玄関
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玄関部分の内側
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海岸ビルに比べると新旧建物の取り合わせに違和感が少なく自然な感じがします。低層部の面積が大きくデザインも特徴的な為に高層棟とのコントラストが際立って別個の建物の様に見えるのが一因でしょうか。高層棟がかなりセットバックしているので下から見上げた時にも然程気になりません。
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旧建物を残して建替える場合はオリジナルの形を残して再生する手法が常道なのでしょうが、この建物は思い切って印象的な部分(列柱)だけを利用した例です。建物保存の趣旨からは全体保存が望ましいとは思いますが、特徴的な部分を抜き出した事でより印象が強く出て面白い効果となっています。
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by sunshine-works | 2008-02-12 21:18 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 02月 08日
旧居留地15番館
神戸中央区の近代建築その23

横浜正金銀行神戸支店と筋を隔ててコロニアル式の建物が建っています。15番館と呼ばれていたこの洋館は旧居留地時代の姿を偲ばせる唯一の建物です。明治13年に建てられた後にアメリカ領事館が置かれ、その後は商館として使われました。
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現在はビルが立ち並ぶオフィス街となっている旧外国人居留地区ですが、元々は海岸沿いの寂れた荒地の様な場所でした。地元民の集落から距離を置くためにあえて辺鄙な場所が選ばれました。開発が進められた居留地は整然と区分された区画毎に分譲されていきます。この建物に付けられた15番館という呼び名の様に、全ての建物には番号が付けられていました。
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幕末から旧ピッチで造成された居留地区にはその後商館や商業施設、住居が続々と建てられていきます。明治初年にはこの15番館と同様な木造コロニアル様式の建物が並ぶ当時の東洋の居留地の中でも最大規模の外国人居留地が完成します。
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南面にベランダが設けられています。北野の異人館に見られる様なガラスのサンルームは付けられず、本来のコロニアルスタイルのままとなっています。
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外国人居留地はわずか30年あまりでその使命を終え、民間に払い下げらた一帯はオフィス街へ変貌を遂げていきます。この過程で旧居留地時代の建物の多くが取り壊されてしまいます。(一部の建物は北野の高台へ移設された物もありました)
残った建物もその後の戦災と戦後の開発で失われてしまい、唯一この建物が当時の姿を伝える物となってしまいました。
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戦災を生き抜いたこの建物ですが阪神淡路大震災では全壊の被害を受けます。被災当時の写真を見ると完全に倒壊・崩落し、まるで廃材置場のような惨状となっていました。
今ある姿は被災後に再建された物ですが、崩れ落ちた木片を繫ぎ合わせ、実にその7割を元の部材により修復するという信じられない様な緻密な作業が行なわれました。再建というよりは復元あるいは修復と呼ぶべき物でした。
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壊滅的被害を受けたこの建物の修復に際しては、新造するよりもはるかに多額のコストと時間が費やされています。しかし神戸の原点とも言える貴重な歴史遺産をこのような形で甦らせた事は何物にも代え難い事であり、文化を伝えていく者として誇るべきすばらしい功績であったと思います。
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by sunshine-works | 2008-02-08 22:08 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
2008年 02月 04日
旧横浜正金銀行神戸支店(神戸市立博物館)
神戸中央区の近代建築その22

海岸通りに並ぶビルをひと通り廻ってきましたが、東へ戻って旧居留地の内側地区へ探訪を進めていきます。
チャータードビルから1本北側の通り(京町筋)に面して一際大きな建物が建っています。現在は神戸市博物館となっているこの建物は旧横浜正金銀行神戸支店として昭和10年に建てられました。設計:桜井小太郎
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国際貿易港である神戸にとって不可欠の外国為替を扱う銀行として置かれたのがこの横浜正金銀行の神戸支店です。ドーリア式のジャイアントオーダーを廻らした古典様式の重厚なデザインは体外的な威厳と信頼を示すかの様な迫力と存在感があります。
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先に紹介したチャータード銀行とこの横浜正金銀行、そして香港上海銀行の3行は共に外為銀行としてアジア各地で覇を競い合う関係でした。横浜正金銀行は後発ではありましたが政府や財界の庇護の下で積極的に海外に支店を設け、日本企業の海外進出を支えて行きました。
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設計者の桜井小太郎は海軍建築技官から三菱地所を経て独立し大手企業の社屋を中心に各地に作品を残しました。
有名なところでは丸の内ビルディングの設計者として知られています。
三菱地所時代に数多くの銀行を手掛けただけあって晩年のこの建物も手馴れた銀行建築の基本を堅実に守ったオーソドックスな造りに見えます。新しい建築様式の波が広がりつつあった昭和10年の築ですが、しっかり古典主義の孤塁を守っているような印象です。
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オーダーを廻らした銀行建築独特のスタイルは博物館に良く似合います。
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簡素ながら力強い印象のドーリア式オーダー
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長く突き出した庇が特徴的な玄関エントランス
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建物側面は装飾要素をあまり置かずにあっさりした仕様です。1階の窓のグリルが整然と連なります。
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このような典型的な銀行建物はギリシア建築に範を取ったデザインだけあって美術館には最適の器となります。頑丈で厳かなイメージから様々に転用される銀行建物の中でも最も理に適った使われ方ではないでしょうか。各地で統合や廃止によって失われていく銀行も街のギャラリーやアートスペースとして再生する道は無いものでしょうか。
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by sunshine-works | 2008-02-04 21:58 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)