カテゴリ:近代建築 島根県( 41 )

2016年 12月 03日
木次線の駅舎

島根の鉄道遺産

松江市と広島県庄原市を結ぶ木次線は大正5年に宍道~木次間で開業した民営の簸上鉄道をその前身とし、昭和7年に木次~出雲三成間の旧国鉄木次線と接続、国有化後の昭和12年に備後落合まで延伸されて現在の区間が全通します。
備後落合で芸備線と結ばれた木次線は戦前戦後の一時期に広島~松江を結ぶ陰陽連絡線としての役目を担いましたが、その後の交通環境の変化に伴って衰退し、現在は内陸と山間部を繋ぐ生活路線として運用されています。
奥出雲の山間いを走るこの木次線の沿線にも開業時の姿を留める古い駅舎が幾つも残されています。今回は木次線に現存する戦前築の木造駅舎を紹介します。


広島方の起点備後落合駅から4駅、八川駅は昭和9年の開業。出雲三成から延伸された木次線の終着駅として設置されました。
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当時の姿が良く保たれた待合室。
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駅舎の正面。近年の改修で壁面の下見板や上部の漆喰壁、屋根瓦が更新され、窓枠もサッシに入れ替えられていますが、基本構造は創建時の姿を留めます。
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1駅先の出雲横田駅も同じく昭和9年の開業。この出雲横田駅については以前に紹介したこちら を参照して下さい。
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出雲八代駅の開業は昭和7年。国鉄木次線の木次~出雲三成の延伸時に設置された駅舎が現存します。
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現在のホームは1面1線。向い側には、かつて使われていたホームが残されています。
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1駅隣の下久野駅も昭和7年築。開業時に建てられた南京下見板張り、木造切妻屋根の駅舎本屋が今も使われています。
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ホームから駅舎裏側の眺め。
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ホームへ抜ける改札ゲートは今では珍しい木造の物が残されています。
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昭和7年開業の日登駅。鉄道省によって木次から延伸された最初の工区に設置されました。
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小さな待合室が当時のまま残されています。
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山陰本線と接続する宍道駅から2駅目、加茂中駅は木次線の前身となった簸上鉄道が開設した4駅の一つです。昭和15年に建替えられた際の木造駅舎が今も使われています。
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簡素な待合室内部。
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駅舎裏側。
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駅舎から離れて一段上がった場所に設けられた島型のホーム。木造のホーム上屋は昭和30年の築です。
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by sunshine-works | 2016-12-03 10:19 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 30日
旧八川郵便局
島根県奥出雲町の近代建築その3

奥出雲町下横田の小さな集落の一角に木造2階建ての洋風建築が残されています。この建物は昭和13年に建てられ、近年まで使われていた八川郵便局の旧局舎です。
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県道と交わる小路に沿った古い家並みの中で一際目を惹く木造モルタル2階建て。ドイツ壁仕上げの壁面は柱枠で仕切られます。中央上部に立上げた破風の通風口ルーバーとその下の〒マーク、突き出した2階の窓台がアクセントを添えます。
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全体に簡素な造りですが、意匠を凝らした各要素がバランスよく配置されています。
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入口周り詳細。右手側の窓はATM設置の為に埋められ、玄関扉は鉄扉に換えられています。
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by sunshine-works | 2015-11-30 14:44 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 24日
出雲横田駅
島根の鉄道遺産

松江市宍道から広島県庄原を結ぶ木次線は大正5年に簸上鉄道が開設した宍道~木次間を母体とし、国有化後の昭和12年に備後落合までの全区間が開通。以降戦前戦後の半世紀を瀬戸内海と日本海を繋ぐ陰陽連絡線の一つとして、重要な役割を果たしました。
現在の木次線は一日数本が往復する山間の生活路線として存続する中、殆どが無人駅となっていますが、沿線で数少ない有人駅として置かれている出雲横田駅には開業時に建てられた駅舎が今尚使われています。
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国有化された昭和9年に出雲三成から八川までが延伸された際に設けられた3駅の一つ。独特の意匠は近くの稲田神社を模したものとされています。
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反り屋根、懸魚と呼ばれる妻飾り、細かい間隔で並ぶ垂木、向拝柱を支える礎盤。寺社建築が忠実に再現されています。
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駅舎内部の様子。ひっそりとした空間に鉄枠のベンチが置かれています。
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by sunshine-works | 2015-11-24 11:32 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 16日
旧救世軍横田小隊会館(日本基督教団横田相愛教会)
島根県奥出雲町の近代建築その2

前回紹介した旧山陰合同銀行横田支店の並びに、目を惹く教会建物が建てられています。
この建物は大正12年に救世軍横田小隊会館として建てられました。
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木造2階建の礼拝堂に玄関を構える4階建ての塔屋が繋がった建物。礼拝堂は下見板貼り、塔屋はモルタル壁に石貼り、銅板の三角屋根を葺きます。設計施工は地元の棟梁によるものと思われますが、本格的な教会建築の概要を具えます。
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塔屋の1階には3面にアーチを廻らせた玄関ポーチを構えます。
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玄関廻りの詳細。上層3階を分厚いアーチが支えます。
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各部見上げ。周囲に高層の建物が無い古い町並みの中にモダンな建物が頭一つ抜き出ます。
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側面から奥側の眺め
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板張床の礼拝堂内部。ここも当時の姿を良く留めています。
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by sunshine-works | 2015-11-16 14:08 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 09日
旧山陰合同銀行横田支店
島根県奥出雲町の近代建築その1

出雲横田の古い町並みの一角に昭和初期の銀行建物が残されています。
現在は本町会館として使われているこの建物は昭和15年に建てられました。
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出雲横田駅から続く町の中心通りに建つモルタル2階建て建物。和瓦を葺いた寄棟屋根を乗せた儀洋風建物。正面入口両脇に小さなオーダー柱が添えられ、2階の窓間にはテラコッタを貼った付柱を飾ります。
因みに山陰合同銀行の設立は昭和16年とありますので、前身の松江銀行時代に建てられたと思われます。
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玄関廻り詳細。
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ファサード上部を飾る3本の付柱。
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by sunshine-works | 2015-11-09 11:26 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 10月 30日
湯村水力発電所
島根県雲南市の近代建築その3

雲南市湯村の山間を進む街道脇、斐伊川に沿って小さなコンクリート建屋が置かれています。大正7年に建てられた中国電力湯村発電所は現在も現役施設として使われています。
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国道から分かれた脇道の先、川縁の狭い敷地に張り付く様に建つコンクリート平屋建。発電施設としては非常に小さな建物ですが、最大1,000キロワットの出力は当時のこの種の水路式発電所としては平均的なものです。
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目立った装飾要素はありませんが、掻き落とし風に仕上げた壁面、軒や窓間に施した繰形、正面の入口の庇の破風等、当時流行の建築意匠を盛り込んでいます。
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正面入口廻り。小さな庇を角柱で支えます。
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by sunshine-works | 2015-10-30 23:14 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 10月 19日
旧吉田村尋常高等小学校講堂
島根県雲南市の近代建築その2

雲南市の南西部、山間に開けた吉田地区の中心に古い木造建造物が残されています。
現在は町の施設として使われているこの建物は、旧吉田村尋常高等小学校の講堂として建てられました。昭和12年築。
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木造平屋、板貼り、切妻屋根の大きな建物。三角形のバットレスが側面に並ぶ特徴的な意匠です。
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東側の妻面。こちら側は二つの切妻が段違いに連なります。
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側面から。中央に小さな入口を設けます。
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反対側の側面。
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各面の入口と窓。当時と変わらず木枠の窓が保たれています。
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by sunshine-works | 2015-10-19 10:43 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 10月 08日
旧加茂郵便局
島根県雲南市の近代建築その1

宍道町から国道を南へ進み雲南市へ向かいます。古い町並みが残る加茂町の中心街に木造2階建ての目を惹く建物が残されています。この建物は昭和10年に加茂郵便局舎として建てられました。
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表通りと交差する小路との角地に建つ木造2階建。表通りに面した側のファサードを化粧タイルで飾り、真中をやや突出した側面には縦長窓を連ねます。
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奥行き方向に長く板貼の外壁が続きます。
小さな町の郵便局としては大きな建物。一時期は電話交換も行われていたそうです。
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中央を頂点に角度を付けた壁面。縦貼りの羽目板と横貼りの下見板を組み合わせた凝った意匠です。
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by sunshine-works | 2015-10-08 23:57 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 09月 30日
オーエム製作所宍道工場建物(旧出雲製織工場)
島根県松江市の近代建築その12

前回紹介した旧宍道尋常小学校から南へ程なく、塀で囲まれた工場敷地の中に古い木造建物が残されています。現在オーエム製作所の施設として使われているこの建物は、前身の出雲製織宍道工場時代に建てられました。昭和9年築。
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正門から真直ぐ進んだ敷地のほぼ中央、木造2階建寄棟屋根の建物。
正面に立派な玄関を備えた和瓦葺きの儀洋風建築で事務所棟として使われたと思われます。
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玄関廻り。現在は事務所としては使われていないそうで、正門傍の新しい社屋が本館となっていました。
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ちなみに、オーエム製作所はダイワボウグループの工作機器会社で、出雲製織が昭和16年の合併によって大和紡績となった後に紡績機器の製造所に転じた宍道工場を受け継いでいます。
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建物右側に平屋の棟が繋がっています。
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側面からの眺めは和風の趣です。
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奥手に見える工場施設。
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by sunshine-works | 2015-09-30 09:51 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(0)
2015年 09月 21日
旧宍道尋常小学校校舎(旧松江南高校宍道分校)
島根県松江市の近代建築その11

松江市の西部、JR宍道駅の南の古い町並みに木造2階建ての旧校舎が残されています。
平成25年まで松江南高校宍道分校の校舎として使われたこの建物は、旧宍道尋常小学校本館として大正初期に建てられました。
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宍道小学校の沿革は明治6年に遡り、県内でも最初期に設置された小学校の一つでした。
明治期に建てられた校舎は数回増改築を重ね、大正3年に現存する本館部分が竣工します。
同校は昭和36年に道を挟んだ向い側に新校舎を建てて移転、空いた校地と校舎に松江南高校宍道分校が移りました。
この松江南高校の分校も平成25年に閉校となり、現在は空家。建物・土地共に今後の再利用は未定のようです。
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中央に設けた小さな入口を挟んでシンメトリーに建物が配置されます。
窓枠がサッシに変更されている以外は切妻屋根の玄関庇をはじめ竣工時の姿を良く留めています。
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渡り廊下の向こう側に繋がる別棟。後年の増築と思われます。
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線路沿いの土手から建物裏手を眺めます。
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by sunshine-works | 2015-09-21 10:24 | 近代建築 島根県 | Trackback | Comments(2)