2008年 10月 10日
大輪田橋
神戸兵庫区の近代建築その12

沿岸部の工場地帯とJR線沿いの市街地の間を縫うように日本最大の運河、兵庫運河が水路を巡らせています。今回はこの運河の河口近くに架けられた美しい橋を紹介します。
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兵庫港の南側に突き出た和田岬を経由せずに須磨方面と港を結ぶ経路として開削されたのが兵庫運河です。東側の新川運河、中央の兵庫運河、南西部の苅藻運河の3つの運河から成るこの運河の中で、最初に完成した新川運河は主に荒天時の退避港として利用されました。
大輪田橋はこの新川運河の中央を跨ぐコンクリート造の3連アーチ橋として大正13年に竣工しました。
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市街地を流れる大きな川が無い神戸市ですが、この運河が開かれた兵庫の町は市街の各所が川で別たれ、それぞれが橋で結ばれる町並みを形成しています。
運河の延伸に伴い岸と岸を結び水路を跨ぐ多くの橋が築かれていきました。
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いかにも大正期に築かれた橋らしいどっしりとしたデザインです。
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この橋は戦災と震災のそれぞれに大きな災禍を被った歴史を持っています。戦時中の神戸空襲の際にはこの橋に殺到した多くの避難民が炎に巻かれ亡くなりました。50年後の阪神淡路大震災では橋の4隅にあった親柱の3本が倒壊し破損する被害を受けました。以来この橋の親柱は1本だけが残り、傍らには折れた親柱がモニュメントとして置かれています。
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老朽化や再開発を理由に歴史的な建築物が失われて行くのと同様に、多くの橋も架け替えられていく運命にあります。多くの人々に親しまれた由緒ある橋を現用のまま維持していく事は確かに手間隙のかかる事ですが、街並みに溶け込んだ美しい景観は何物にも代え難いものです。
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by sunshine-works | 2008-10-10 23:45 | 近代建築 | Trackback | Comments(3)
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Commented by kissaku at 2010-05-16 22:56 x
☆愛着が伝わりますね。
Commented by sunshine-works at 2010-05-17 18:52
kissakuさん こんばんは。コメントありがとうございます。
建造物の中でも、橋は生活との密接度合いが強いだけに、地域住民の愛着もひとしおなのでしょうね。地域のランドマークとしての役割もあって、その存在意義は何物にも代えがたい物だと思います。
Commented by kissaku at 2010-07-29 18:37 x
☆橋の理想は我が家の庭の延長である、と思っています。車の往来が激しい時代なので、市街地では夢ですけれど。


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