2008年 08月 31日
神戸兵庫区の近代建築その2 今回も神戸市が手がけた水道事業に因む近代化遺産、六甲山系の山裾に建てられた浄水施設を紹介します。奥平野浄水場に現存するこの建物は大正6年に設備を増強した際に建てられたもので、現在は神戸市水の科学博物館として公開されています。設計は明治期の神戸に数多くの作品を残した河合浩蔵です。 明治中期に布引・烏原両ダムが造成されましたが、これに併せてこの地に浄水施設が設けられました。両ダムから導かれた水はここで濾過され、市街に供給されていきました。 留学先で学んだドイツ様式主義を得意とした河合浩蔵らしい重厚な建物です。玄関棟を中心に両翼が左右対称に伸び、両端には塔が設けられています。 場内に明かりを取り入れる屋根窓が並びます。 正面のペディメントのマークは神戸の市章です。 遠景から眺めた側面 この浄水場で採用された急速濾過施設は大量の浄水処理を可能とする当時の最新技術でした。全国で2番目の急速濾過場として開かれたこの奥平野浄水場は、河合浩蔵の代表作として建築史に名を残す傑作であると共に、我が国の水道技術史を語る上でも欠かせない貴重な産業遺産となっています。
by sunshine-works
| 2008-08-31 21:34
| 近代建築 兵庫県
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