2008年 07月 30日
神戸中央区の近代建築その65 神戸中央区の探訪も今回で最終回。最後は現在の神戸の中心駅である三宮駅を紹介します。 三宮にはJR、阪神、阪急、神戸市営地下鉄そして新交通システムのポートライナーの各駅が置かれています。JR、阪神、阪急の各駅は戦前に建てられた駅舎ですが、それぞれに改装や修復が重ねられ、竣工当時の姿が完全な形で残されている訳ではありません。しかし、現代の駅舎と共存して垣間見る事ができるかっての駅舎の名残りは、さすが時代を経た風格や貫禄を感じさせます。 JR三宮駅中央口のコンコースです。太い柱と華麗な柱頭の装飾は神戸駅や兵庫駅と共通する物があります。昭和6年に高架駅となった時に設置されました。 東口コンコースにも同様な柱があります。こちらはやや小ぶりな造りです。 ホームの屋根も当時のままと思われます。 線路の向こう側に見える構造物はかっての駅舎の一部です。 ホームの西端からは阪急三宮駅が望めます。 昭和11年の阪急電鉄乗り入れから阪神淡路大震災まで、阪急三宮駅には大きなターミナルビルが建っていました。ビルの2階部分に設けられた大きなアーチ状の開口部から電車が出入りする様子は、さながら未来都市を思わせる三宮の名所となっていました。 震災により東口にあったターミナルビルは失われてしまいましたが、西側の駅舎は現在も当時の姿のまま現役で使われています。 阪神三宮駅は阪神電鉄の延伸にともなって昭和8年に地下駅として開設されました。同年に元町から移転開業したそごう百貨店と一体となってターミナルビルを構成し、三宮が商業の中心地区となるきっかけとなりました。 ホームの柱にはスクラッチタイルが貼られています。 そごう百貨店から地上へ繋がる通路。 神戸の街は最初に西の神戸駅や元町駅周辺が中心地区として栄え、当時の三宮は市街地の外縁に位置する場所でした。その後、阪神電鉄、阪急電鉄が大阪方面から路線を延ばした際に神戸市の拠点となり、JR(当時は国鉄)も現在の元町にあった駅をこの地に移したことで交通の要衝として発展し、更に戦後の神戸市役所移転を契機として急速に神戸の中心地となっていきました。 国鉄、阪急、阪神のそれぞれが設けた駅舎は新市街として発展を遂げた三宮の歴史を偲ぶ貴重な遺構となっています。 *********************************************************** 神戸中央区は今回でひとまず終了。次回からは六甲を越えて神戸北区を廻ります。
by sunshine-works
| 2008-07-30 23:58
| 近代建築 兵庫県
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Comments(4)
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哀愁が感じられる写真ですね
at 2009-09-26 14:18
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前略またもおじゃまのpondennです。阪神電車の地下入り口の落ち葉型の窓にのぼった事も。窓のスペイン調のステンドクラスも雰囲気が。
その上の時計の時刻も夕刻の5時でさみしさの効果を上げていたり。
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sunshine-works at 2009-09-27 14:25
pondennさん こんにちは。
三ノ宮の駅はどれも部分的に往時の姿を留めるのみですが、良い雰囲気が残っていますね。 時計の時刻は特に意識して構図に入れた訳ではありませんが、なるほどそう言う効果があったとは気が付きませんでした。
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神戸在住 18歳
at 2010-04-20 19:12
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三宮はいつも通っています。
しかしあまりに身近過ぎてこんな立派な建築をしていることを全然知りませんでした。すごいっす
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sunshine-works at 2010-04-21 12:21
神戸在住18歳さん こんにちは。
関西の主要都市の中心駅で、戦前の佇まいを探せるのは三宮くらいではないでしょうか。神戸には他にJR兵庫駅やJR神戸駅等、昔そのままの駅が残っていますので、じっくり観察してみてください。 |
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