2008年 02月 20日
旧神戸海上火災保険ビル(ニッセイ同和損害保険ビル)
神戸中央区の近代建築その26

旧居留地の中心部、明石町に建つこのオフィスビルは昭和10年、旧神戸海上火災保険会社の本社として建てられました。旧居留地のオフィスビルの中で竣工時から入居者が変わらず(会社名はその後数回変わっています)同一の用途で使われている数少ないビルです。設計:長谷部竹腰建築事務所
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現在はニッセイ同和損保の社名となっていますが、元々は神戸港で海上保険を扱う神戸海上火災保険会社の社屋でした。港湾都市の神戸には海上保険会社が数多くありましたが、戦前に建てられ現存している保険会社の建物はこの建物だけとなりました。
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階を貫いて続く大きなアーチ型、軒に付けられたコーニスが特徴となっていますが全体的には装飾要素は控えめです。
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それほど大きな建物ではありませんがアーチによって縦方向に伸びやかさが強調されます。大きなアーチを使うデザイン技法は住友系の建築によく見られる特徴ですが、この建物が住友の工務部から独立した長谷部竹腰建築事務所の作品である事をよく表しています。
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大きなアーチが描く曲線と窓を繋ぐ付柱の繰り返しパターンが美しいリズムとなっています。派手さはありませんが端正な印象です。
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さりげない部分ですが味わいのある細部。
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端に設けられた小ぶりな玄関
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神戸海上保険会社は戦時中に4つの損保会社の合併となる同和火災として統合され、その後ニッセイ同和損保へと変遷を遂げます。経済の一極集中によって神戸で設立された会社のほとんどは本社を東京へ移したり合併して東京資本の企業の支社に変わってしまいます。多くの会社が本社を置いたこのあたりも地元資本の会社は数える程となってしまいました。会社名は変わっても今なお現役で使われているこの建物はかってこの街で生まれた会社であることを偲ぶ貴重な存在でもあります。
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by sunshine-works | 2008-02-20 02:43 | 近代建築 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 雑学的ブログ at 2008-03-20 06:01
タイトル : 港町では、
新聞で紹介されていました。港町に活力ということが書かれていました。何で??と思いながらその記事を読んでいたら、今年は、日米修好通商条約 150年なのだそうです。(1858年から)北から函館港新潟港横浜港神戸港長崎港などの港で、イベントなどを開催するそうです。どうでしょう?今年の観光は港めぐりなぞしてみては?エンタメランキングへ--------------- おすすめのページ ---------------「防災グッズ」で検索してみました!「資格取得」を目指してみませんか?最安値をチェック!「海外格安航...... more
Commented by sy-f_ha-ys at 2008-02-20 07:23
数年ほど前に神戸を訪れたとき、控えめながら風格を漂わせるこのビルをとても気に入りました。写真を拝見して改めて素敵なビルだなと思った次第です。
地元資本の会社がお洒落なビルを建てたというのも、神戸という町の気質みたいなものを感じることが出来るのではないでしょうか・・・・・?。
Commented by sunshine-works at 2008-02-20 23:29
こんばんは。コメントをありがとうございます。
個性的な旧居留地の建物の中に混ざると地味な印象に感じますが、美しいデザインの建物です。仰る通り「お洒落なビル」と言った形容は言い得ていますね。


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