2008年 02月 08日
旧居留地15番館
神戸中央区の近代建築その23

横浜正金銀行神戸支店と筋を隔ててコロニアル式の建物が建っています。15番館と呼ばれていたこの洋館は旧居留地時代の姿を偲ばせる唯一の建物です。明治13年に建てられた後にアメリカ領事館が置かれ、その後は商館として使われました。
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現在はビルが立ち並ぶオフィス街となっている旧外国人居留地区ですが、元々は海岸沿いの寂れた荒地の様な場所でした。地元民の集落から距離を置くためにあえて辺鄙な場所が選ばれました。開発が進められた居留地は整然と区分された区画毎に分譲されていきます。この建物に付けられた15番館という呼び名の様に、全ての建物には番号が付けられていました。
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幕末から旧ピッチで造成された居留地区にはその後商館や商業施設、住居が続々と建てられていきます。明治初年にはこの15番館と同様な木造コロニアル様式の建物が並ぶ当時の東洋の居留地の中でも最大規模の外国人居留地が完成します。
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南面にベランダが設けられています。北野の異人館に見られる様なガラスのサンルームは付けられず、本来のコロニアルスタイルのままとなっています。
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外国人居留地はわずか30年あまりでその使命を終え、民間に払い下げらた一帯はオフィス街へ変貌を遂げていきます。この過程で旧居留地時代の建物の多くが取り壊されてしまいます。(一部の建物は北野の高台へ移設された物もありました)
残った建物もその後の戦災と戦後の開発で失われてしまい、唯一この建物が当時の姿を伝える物となってしまいました。
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戦災を生き抜いたこの建物ですが阪神淡路大震災では全壊の被害を受けます。被災当時の写真を見ると完全に倒壊・崩落し、まるで廃材置場のような惨状となっていました。
今ある姿は被災後に再建された物ですが、崩れ落ちた木片を繫ぎ合わせ、実にその7割を元の部材により修復するという信じられない様な緻密な作業が行なわれました。再建というよりは復元あるいは修復と呼ぶべき物でした。
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壊滅的被害を受けたこの建物の修復に際しては、新造するよりもはるかに多額のコストと時間が費やされています。しかし神戸の原点とも言える貴重な歴史遺産をこのような形で甦らせた事は何物にも代え難い事であり、文化を伝えていく者として誇るべきすばらしい功績であったと思います。
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by sunshine-works | 2008-02-08 22:08 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
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