2007年 11月 10日
旧池長美術館(神戸市文書館)
神戸中央区の近代建築その3

旧池長邸から北西方向、神戸市中心街に向かってしばらく進んだところには池長氏がコレクションした南蛮美術の美術館として建てられた建物が建っています。昭和13年築。設計は池長邸と同じく小川安一郎です。
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当初は池長氏の私設美術館として開設されました。戦後運営は神戸市に移管され神戸市立南蛮美術館となりました。昭和57年に収蔵品が新設された神戸市美術館に移された後は神戸市の文書館として使われています。
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池長邸はスパニッシュミッション様式ですがこの美術館はアールデコスタイルの建物です。正面側に白色のタイルを貼りファサードは大きなグリルで飾られています。玄関は中央に置かれていますが全体のデザインを左右比対象とすることで単調さを和らげています。
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この建物や旧池長邸を設計した小川安一郎は住友工務部の出身で関西を拠点に活動した建築家です。旧池長邸や大阪に残る氏の設計した建物(イトーキクレビオビル清水猛商店)を見ると装飾に鋳物や鍛造品が多く使われています。この建物も随所にグリルや金物が美しく飾られています。
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この美術館の元となった池長コレクションについてはこちらに詳しいのですが
結局池長氏は貴重なコレクションを手放す事となってしまいます。(莫大な財産税が課された様です) 自邸も売却せざるを得ない状況の中で美術館と収蔵品は神戸市に無償で譲渡しコレクションの散在を防いだ逸話にはコレクターの心意気を感じます。
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市に移管され、その後も美術館として使われた事で今日まで原形のままの美しい姿が守られてきました。文書館として転用された事も用途として相応しい使われ方と思います。市民の財産として長く残していってもらいたい建物です。
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by sunshine-works | 2007-11-10 23:40 | 近代建築 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 散策とグルメの記録 at 2013-03-14 17:44
タイトル : 神戸市文書館の建物と袖壁に描かれた南蛮船の浮き彫り
2013年3月13日に神戸市文書館に行って調べ物をして来ました。 その時に撮った神戸市文書館の建物と袖壁に描かれた南蛮船の浮き彫りの写真を 紹介します。 神戸市文書館の基本情報 住所:神戸市中央区熊内町1-8-21 TEL:078-232-3437 神戸市文書館の公式HP 上の写真は袖壁に描かれた南蛮船の浮き彫りのアップです。 こうしてマジマジを観てみると非常に考えられた装飾であると感じます。 上の写真は神戸市文書館の建物前面上部の鉢に飾られた花です。 上の写...... more
Commented by seiyo39 at 2013-03-14 17:50
Sunshine-works様へ Fr.Seiyo39
いつもお世話さまです。
いつもながら綺麗な写真をたくさん掲載されており
感服する次第です。さて下記のBlogでTBを許可して頂きたく
お願いする次第です。宜しくお願い申し上げます。
http://seiyo39.exblog.jp/20149487/
Commented by sunshine-works at 2013-03-14 18:52
seiyo39さん こんばんは。
TB有難うございます。
何度みてもこのレリーフは素晴らしいです。


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