2007年 08月 08日
旧小寺源吾別邸

神戸東灘区の近代建築その9

東灘区の山の手、旧住吉村や御影町の高級住宅街についてはこれまで紹介してきましたが、阪神電鉄沿いの深江も戦前に開発された住宅地として知られています。この地区は別名を深江文化村と呼ばれ、多くの文化人が居住していました。残念ながら当時建てられた文化村の建物は今では4棟を残すのみとなってしまいました。
この深江地区に隣接した海辺の一角にW.M.ヴォーリズ設計の住宅が現存しています。大日本紡績(旧尼崎紡績、現在のユニチカ)の社長を務めた小寺源吾の別邸だった建物です。
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小寺源吾は住吉村に自邸がありました。この深江の家は海辺の別荘・別邸として使用されていたようです。
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この地にヴォーリズの設計した建物があることは知りませんでした。こちらのブログでこの建物の事を知り訪ねてみました。(ノン様ありがとうございました)
深江文化村の設計にはヴォーリズの弟子、吉村清太郎が係わっていますのでヴォーリズ自身の建築があっても不思議のない場所柄なのですが以外にも文献やWeb上でこの建物の存在は触れられていませんでした。
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細部のディティールです。ヴォーリズらしさが随所に見られます。
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1階正面のテラス。いかにも別荘らしい造りです。
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この建物に特徴的なのが1階の各窓に取り付けられた美しい飾り格子です。
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裏側の窓の格子。
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裏側および勝手口
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戦後当地に酒造工場が造られた際に敷地ごとこの建物が移管されたようです。現在はこの酒造会社の貴賓館として使われています。
歴史的価値のある建物を会社の迎賓館、来客施設として利用している例は他にもよく見られます。時代に裏付けられた風格と気品を備えた建物はもてなしの場として相応しい使われ方だと思います。
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by sunshine-works | 2007-08-08 23:41 | 近代建築 | Trackback(2) | Comments(2)
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Commented by ひろ009 at 2007-08-13 09:01 x
こんにちは。よく建築探訪の参考にさせて頂いております。

芦屋川沿いや深江文化村の方は何度か歩いているのですが、この建物のことは全く知りませんでした。海に面した場所にこのような建物があったとは!ビックリしました。静かに伸びやかに建っている姿がとても美しかったです。

比較的おとなしめの意匠で和風テイストもかなりありますが、ディーテールは凝っていて見応えがありますね。素晴らしい建物を教えて頂き、ありがとうございました。

※TB送らせて頂きました。
Commented by ノン at 2007-08-13 22:09 x
はじめまして。ノンと申します。
私のブログにリンクを貼ってくださりありがとうございました。
とても嬉しいです。
こちらのブログはお写真も解説も素晴らしいですね!
いつか機会がございましたら、sunshine-works 様の解説をお聞きしながら建築めぐりをしてみたい。。。なんて思ってしまいました。
私は神戸女学院のような、割と派手な感じの建築が好きなのですが、こんなあっさりめの建築もたまには良いなぁと思いました。


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