2013年 10月 10日
旧小出医院
養父の近代建築その4

養父市の北部、円山川近くの静かな集落に大正期の医院建築が残されています。
大正7年に建てられたこの小出医院は、平成10年まで現役で使われていました。
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集落の外れ、角地に面して建てられた木造平屋建て。
建物中央に車寄せを設け、左右シンメトリーに部屋を配置、大きな寄棟屋根には和風の桟瓦を葺きます。
施工を担当した地元の大工に当時の東京帝国大学付属病院を実見させたとの事で、地方小村の医院ながら本格的な洋風技法を取り入れた折衷様式で建てられています。
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基礎に布積みの礎石、壁面は黄褐色の漆喰壁、軒下はモルタル仕上げ。
窓枠や玄関扉は当時と変わらぬ木製のままです。
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閉院して10年以上を経過、各部の劣化が進んでいます。
木部の表面は乾き、壁面の剥離やひび割れが目立ちます。
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建物右手に繋がる付属棟。こちらの状態も芳しくありません。
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中庭から建物裏側の眺め。隣に並ぶ萱葺き屋根は出石藩主の御座所として建てられた由緒ある建物です。
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明治期以降各地の町村に開業した個人医院の多くは、このような洋風意匠で建てられ、地域の近代建築の先駆けとなりましたが、建物の老朽化や医療環境の変化に伴ってその殆どは昭和末期から平成にかけて姿を消して行く事となります。
往時の姿を良好に留めるこの旧小出医院は、これら地方医院の貴重な資料として残ります。
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by sunshine-works | 2013-10-10 20:54 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
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