2013年 10月 05日
朝来の近代建築その11 和田山駅南側の中心街を東へ進んで程なく、道路に面して木造2階建ての大きな建物が見えてきます。 和田山を代表する洋館建築として知られるこの上垣医院は80年を超えて今尚現役で使われています。 この上垣医院の竣工は昭和5年。地元出身の上垣新吾医学博士を招いて開設されました。 公設医療機関が無かった朝来地区では最も大きな医院で、モダンな洋館の病院として親しまれました。 上部にバルコニーを乗せた玄関ポーチを中央に配し、左右両翼を手前に張り出すシンメトリー構造の木造2階建て。外壁はモルタル塗り、寄棟屋根には和風の桟瓦を葺いた和洋折衷様式です。 玄関ポーチおよび庇上部のバルコニー。 2階の屋根上に設けられた通気用のドーマー窓が良いアクセントとなっています。 4本の石柱が支える玄関庇。その奥の入口扉は建物規模に比べて小さな造りです。 各面に並ぶ上げ下げ式窓。木製の枠が当時のまま使われています。 2階の窓は引き違い窓もしくは外開き窓でしょうか。 建物側面。小さな出入り口が設けられています。 敷地奥手の建物。かつて隔離病棟として使われていたとの事です。 現役で使われている昭和初期の医院建築の現存例は兵庫県内でも数少なく、個人医院では最も古いものでしょう。 竣工当時の姿を良く留め、当時の医院建築を伝える貴重な遺産となっています。
by sunshine-works
| 2013-10-05 23:28
| 近代建築 兵庫県
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