2013年 05月 30日
鳥取県米子市の近代建築その5 米子の中心街の裏手、古い町並みが続く一角に2階建て石造の洋風建築が建っています。 この建物は米子を基盤とした地方財閥坂口家の中核会社の建物として昭和6年に建てられました。 江戸時代に米子で木綿商を営んでいた坂口家は、明治期になると醤油醸造や製糸業、石油卸、林業等の多角化を図り、やがて銀行経営や電力事業、倉庫海運までを手掛ける地方財閥に成長します。 後身の坂口合名会社に引き継がれて今尚現存するこの建物は、近代の米子発展の基となった旧坂口商店本社として建てられたものです。 主要な通りから一段奥まった狭い街路に面します。 隆盛を誇った坂口財閥のヘッドオフィスが建てられた場所ですが、現在は人通りも少なくひっそりとした一角となっています。 元々この一帯は坂口家の本家が置かれていた場所で、この建物も坂口家の敷地の一角に建てられていました。 正面にジャイアントオーダー風の付柱を飾る石張りの重厚な建物。当時の銀行建物に類した意匠です。 米子に残る近代建築の中で、竣工以来現在まで同一用途で使われている数少ない建物です。 近代の米子が商業都市として発展する基礎を築いた坂口財閥の隆盛を伝える遺構として貴重なものとなっています。
by sunshine-works
| 2013-05-30 23:58
| 近代建築 鳥取県
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