2013年 05月 10日
旧安田銀行児島支店
岡山県倉敷市の近代建築その12

JR児島駅の南西、駅から続く街路に沿って商店街が長く伸びています。
この商店街の一角に石造の古い銀行建物が残されています。
この建物は安田銀行児島支店として昭和初期に立てられました。築年は昭和7年頃とされています。
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外壁は当時の銀行建物に良く使われた花崗岩を積んだもの。
児島周辺は花崗岩を始めとする石材の産地であり、石工の技量に優れていました。
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正面側に6本のオーダー柱を並べ、縦長窓の上部には方形のオーナメントを配置、建物上部を重層的なコーニスとパラペットで飾ります。
銀行建物の典型的な建築表現を用いていますが、明治大正期のものと比べると重厚さは薄れ、時代の流れに沿った意匠となっています。
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旧安田銀行の支店として建てられたこの建物は後身の富士銀行に引き継がれますが、昭和40年代半ばに廃店となります。一時期医院として使われていた様ですが、その後の長い期間は空家同然の状態でした。
この為もあって大きく手を加えられた形跡が見られず、銀行店舗時代の姿が良好に保たれています。
現在は当時の建物を活かしたアンティークショップとして使われています。
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北面からの眺め。
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部材の多くは当時のものがそのまま使われています。鉄部は錆が浮いてボロボロの状態です。
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製塩業と綿花の集積地として栄えた味野の町は産業の衰退とともに賑わいが薄れ、この商店街も寂しいものとなってしまいました。
小さな町に建てられたこの本格的な銀行店舗は、往時の町の繁栄を偲ぶ象徴として今に伝わります
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by sunshine-works | 2013-05-10 22:44 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
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