2013年 04月 15日
山陰本線八鹿駅
但馬の鉄道遺産その5

前回紹介した養父駅から1駅、養父市の中心駅八鹿駅には昭和9年に建てられた駅舎本屋が現存します。
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明治41年、播但線の延伸に際し旧八鹿町(開業当時は八鹿村)の中心駅として設置されました。
養父駅は小規模で素朴な駅舎でしたが、江戸期より水運と街道の交点として賑わい、生糸の集積地でもあった八鹿の駅舎は地方ローカル駅としては大きな規模の駅舎を構えます。
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木造平屋建、切妻屋根、壁面上部をモルタル仕上げ。建物中央には三角破風を立上げ、やや左に寄せた入口の右手に星型の飾り窓を配します。
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この時期の駅舎にはこの位置に飾り窓を配置する例が幾つかありますが、殆どは丸窓で、このような星型の窓は極めて珍しいものです。
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現在の駅舎が建てられた昭和9年当時、八鹿町は大正期に操業を開始したグンゼ八鹿工場の企業城下町として賑わいを呈していました。モダンな駅舎は発展する町の拠点に相応しい近代的な意匠となりました。
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ホームは2面3線、対向ホームへは跨線橋を渡ります。
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現在の跨線橋は昭和30年に設置されたものですが、この跨線橋は元々は京都府の福知山駅に明治40年に設置されたもので、架け替えに伴って不要となった跨線橋を再利用しています。詳しくはコチラを御覧ください。
このように不要となった旧跨線橋を再利用する事例は数多く、各地に現存する明治・大正期の跨線橋の過半は他所から移設されたものです。
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下半分が角柱、上部に円柱を継いだ形状はこの時代の鋳鉄製支柱に共通のもの。
以前紹介した丹波の柏原駅の跨線橋も全く同じ規格です。
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対向ホームを眺めます。
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跨線橋本体は設置された昭和30年当時のもの。トラス構造のフレームで支えます。
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反対側ホームの支柱。「明四十」、「鉄道新橋」の文字が読み取れます。
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グンゼの工場が閉鎖された現在は乗降客も少なく、往時の賑わいはすっかり無くなってしまいましたが、モダンな駅舎はこの町の往時の隆盛を今に伝えます。
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by sunshine-works | 2013-04-15 22:24 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
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