2012年 11月 14日
酒津取水樋門/排水樋門
岡山県倉敷市の近代建築その8

倉敷駅から北西方向へしばらく進むと、高梁川に沿って親水公園が置かれています。
この場所には、大正年間に行われた高梁川改修事業によって設置された取水樋門や排水樋門が現存し、今も現役で使われています。これらの施設は大正11年から翌12年にかけて築かれています。
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治水と利水を目的に行われた高梁川の改修事業の中で、最大の施設となったのが酒津に設けられたこれら一連の構築物です。
堰堤、取水樋門、配水池、配水樋門、水路で構成されるこの施設は、古くから争いの元となっていた水利権を解決するために、高梁川から一括して取水し、公平に分配する配水施設として設置されました。
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南樋門に並ぶ15連のアーチ形樋門。配水地域の規模に応じて門の数が異なり、それぞれに分けられた用水路で各地を繋ぎます。
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各樋門は表面を花崗岩で飾った鉄筋コンクリート造の荘重な造り。各用水路の側壁も石で仕上げられ、周辺の植栽と併せて施設全体が河畔に美しい景観を添えています。
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配水池側から眺めた樋門です。
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こちらは取水樋門の内側。
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土手の反対側に回って河畔の取水口へ。石貼7連の樋門が並んでいます。
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川中に築かれた取水堰。この堰で水勢を弱め、水深を嵩上げして樋門で取水します。
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明治以降に導入された欧米の進んだ土木技術は、様々な場面で人々の暮らしを大きく変えて行きます。
農業の近代化に於いて近代土木が果たした役割は非常に大きく、取り分け、農業水利は飛躍的な改善を遂げます。
この結果大正期の国土全体の耕地面積は江戸期の3倍以上にも増大し、近代国家を支える根幹を築いて行きます。
高梁川で行われた一連の水利事業の象徴とも言うべきこの施設は、農業近代化に資する優れた歴史遺産として極めて貴重なものです。
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by sunshine-works | 2012-11-14 20:25 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
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