2012年 10月 21日
百十四銀行旧坂出支店
香川県坂出市の近代建築その9

坂出駅の北側に広がる商業地域の一角に古い銀行建物が残されています。
現在はATMコーナーのみが使われているこの建物は、昭和5年に百十四銀行坂出支店として建てられました。
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長いアーケードが東西に繋がる商店街のほぼ中央にあたる場所に建つ、化粧タイル貼りの鉄筋コンクリート2階建て陸屋根造の建物です。
南面中央にがっしりとした玄関張出を据え、左右に窓を1枚ずつ配する小さな間口としていますが、奥行きを長く取って面積を確保します。
上部がアーケードで遮られている事と、左右の窓がパネルで覆われている事で、狭い正面側は玄関部分の存在感が強調されています。
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直線を主とした平面的な意匠。華美な装飾は持たず、表面タイルの質感と化粧石によるアクセントで意匠を表現します。
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一見するとスクラッチタイルに見えますが、縦横に目が刻まれた、布生地を思わせるタイルが貼られています。
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2階の窓間を飾る付柱。
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現存する百十四銀行の店舗として、戦前最後の築年の建物です。
商都として栄えた坂出の賑わいを偲ぶ歴史遺構として貴重な存在となっています。 
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by sunshine-works | 2012-10-21 23:07 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(2)
Commented by IZKY at 2018-07-31 23:33 x
百十四銀行旧坂出支店無くなってました。
貴重な建物がまた一つ無くなり大変残念です。
Commented by sunshine-works at 2018-08-05 13:56
IZKYさん コメントありがとう御座います。現存する百十四銀行の建て物はどれも趣があって味わい深いだけにもったいないですね。地方都市の中心街の空洞化も影響しているのでしょうか。


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