2012年 09月 27日
旧鳥取家庭裁判所(小鹿谷公民館)
鳥取県湯梨浜町の近代建築

鳥取県の中部、昔ながらの農村風景が残る長閑な集落の一角に、かつての裁判所建物が移築保存されています。現在は地区の公民館として使われているこの建物は、昭和3年に鳥取家庭裁判所として建てられました。
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集落の中程、狭い路地を抜けて山道の入口に差し掛かる一角に、周囲の農家とは佇まいを異にする木造下見板貼りの建物が見えてきます。建物の中央に小さな張出を設ける以外は凹凸の無い長方形、寄棟屋根には和瓦を葺きます。
外壁は下見板を基本に一部を横破目板とし、上部に明り取り窓を添えた縦長の上げ下げ窓が洋風意匠を強めます。華美な装飾表現はありませんが、この時代の洋風木造庁舎の雰囲気を良く伝えます。
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昭和3年に鳥取市の中央、鳥取城址の傍に鳥取家庭裁判所として建てられました。老朽化によって昭和37年に解体される予定だったものを当地に移築し、小鹿谷公民館として現在まで使われています。
裁判所として使われていた年数よりも遥に長い時間をこの地で過ごした事になりますが、良好に裁判所時代の姿を留めています。
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小さな張出部分を挟んで左右対称に棟が伸びます。
窓の配置が左右で異なるのは、一部の窓をサッシに替えた際の改修でしょうか。
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側面から玄関のある北側へ廻ります。
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玄関は至って簡素。この時代の庁舎に顕著な車寄せらしきものもありません。移築の際に省かれたとも思えます。
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通用口らしき出入口もあります。
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偶然にも内部の補修作業が行われていました。許可を得て内部を拝見させていただきました。
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全国各地に戦前築の裁判所建物が現存しますが、多くは煉瓦やコンクリート造の大規模な建物で、このような木造・小規模な裁判所建物の現存例は僅かです。
この旧鳥取家庭裁判所は現存する昭和初期の木造裁判所として唯一の存在となります。
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by sunshine-works | 2012-09-27 20:50 | 近代建築 鳥取県 | Trackback | Comments(0)
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