2012年 09月 11日
高梁川東西用水組合事務所
岡山県倉敷市の近代建築その3

倉敷駅の北西、高梁川に沿って開かれた親水公園の一角にモダンな木造建物が建っています。
この建物は高梁川流域の水利を管理する高梁川東西用水組合の事務所として大正15年に建てられ、現在も現役施設として使われています。
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流域の治水と利水を目的に国家事業として明治末年より進められた高梁川の河川改修は、15年に及ぶ大工事の末、大正14年に完成に至ります。
この過程で設立された東西用水組合の施設として、高梁川改修事業中で最大規模の工事となった酒津取水堰の傍らに建てられたのがこの建物です。
木造2階建、寄棟造。2階中央上部に三角破風を立ち上げ、左右に小さなドーマー屋根を設けます。
アールデコやセセションスタイルを取り入れ、大正モダンの雰囲気を良く伝えます。
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北に面して設けられた玄関。入口庇にはスパニッシュ風の瓦が葺かれていますが、これは後年に葺き替えられたものとの事です。
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庇を支える支柱。柱と建物の基部には縦方向に目地を刻んだセメントを盛ってアクセントとしています。
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1階と2階の窓の中間に設置されるドイツ壁風の飾り。この時代の庁舎や学校建築に良く見られる意匠です。
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建物側面から裏側へ廻ります。
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現在は裏手に短い張り出し部分が伸びていますが、現存する当時の図面を見ると1階部分はこの後方に別棟が繋がり、上から見て工の字形の建物配置となっていました。
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用途としては然程目に付く事のない地味な施設ですが、先進の流行を取り入れたモダンな意匠からは、この治水事業を象徴するシンボルとしての強い存在感を感じます。
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by sunshine-works | 2012-09-11 23:15 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
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