2012年 09月 03日
旧篠山地方裁判所
篠山の近代建築その5

古い建造物が並ぶ篠山市の中心部に、一際目を惹く長大な木造建物が建っています。
現在美術館として使われているこの建物は、昭和56年まで使われていた旧篠山地方裁判所を転用したものです。築年は明治24年、現存する木造の裁判所としては我が国最古のものとなります。
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約40メートルに及ぶ主屋が南北に延び、主屋の入口部分と両翼が張出したE字形の木造平屋建て、伝統技法に西洋技術を取り入れた近代和風と呼ばれる建築様式で建てられています。
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近代和風建築は従来技法を基礎とする事もあって、自然発生的に早い時期から各地に広まり、個人住宅や旅館・ホテル、駅舎、宗教施設等がこの様式で建てられて行きますが、この旧篠山地方裁判所のように庁舎や公的施設に取り入れられる例も数多くありました。
寺社や城郭に特徴的な荘厳さや威圧感は、権力の象徴であるこの種の建物に用いるに相応しいものだったのでしょう。
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この時代に建てられた近代和風建築の庁舎の多くが両翼部分を前に突き出すコの字型、あるいはこの建物で見られるEの字形をしています。
桃山様式を発展させたものとも思えますが、明治以前の和風建築でこの配置が用いられた例は少なく、西洋建築の影響が多分に伺えます。
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敷地の南に設けられた門。建物の側面を伺う場所となりますが、当初この建物は南正面で建てられていました。近年に牽き家で向きを変えた事でこのような変則の構えとなっています。
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現在は歴史美術館として使われていますが、館内には法廷部分が当時のまま残されており、自由に見学が出来ます。
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古い裁判所建物の現存例は各地に散見されますが、木造建物となるとその数は僅かなものとなります。
近代和風様式の極めとも言えるこの篠山地方裁判所は、地方に於ける明治期の司法施設の姿を伝える貴重な資料となっています。
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by sunshine-works | 2012-09-03 21:46 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
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