2012年 08月 09日
旧岡山農学校堆肥舎
岡山県岡山市の近代建築その26

岡山市の郊外、備中高松駅の南に岡山県立高松農業高校の広大な敷地が広がります。
この一角に同校の資料館として使われている茅葺屋根の洋風建造物が残されています。
前身となった岡山農学校時代に堆肥舎として建てられました。明治42年築。
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演習農場や温室が並ぶ校舎南側の一角に建てられています。
煉瓦造平屋建、外壁上部を漆喰で仕上げ、茅葺屋根を葺きます。
欧州の農業建物に倣ったものと思われますが、和風要素も入り混じった独特な意匠となっています。
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煉瓦壁はフランス積。2か所に設けたバットレスで支えます。
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美しく整えられた茅葺屋根。上部には小さな破風が付けられています。
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特殊な用途の建物なので装飾表現は殆どありません。窓枠に虫籠窓と呼ばれる日本建築の様式が使われていますが、これは後年に付け加えられたものです。
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入口は表と裏に2か所。窓が少ないのは建物用途からと思われます。
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2か所の入口はほぼ同じ造り。こちらは南面。
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建物西側から北側です。
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農村部の茅葺家屋の多くは、材料である茅の入手難や職人の減少によって急速にその数を減じています。
茅葺屋根をこのように美しく維持していく労苦は並大抵な事ではありません。
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各地に旧農学校の建物が現存していますが、この種の施設が残されている例は僅かです。
茅葺屋根を持つ洋風建築として極めて珍しく、資料的価値の高い建物です。
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by sunshine-works | 2012-08-09 20:52 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Luna at 2013-08-13 10:02 x
失礼致します。

はじめまして。
何時も楽しく拝見させて頂いております。

岡山農学校堆肥舎はとてもユニークで絵になる素敵な建物だと思います。
ところで、先日、宇野線に乗っていて気付いたのですが、彦崎駅近くの線路南側に建つ、丸高工業の工場がフランドル(フランス)積でした(Google マップ で観れます)。
創業時からの建物だとすると、明治40年頃のものでしょうか?
少ないと言われるフランドル(フランス)積の明治建築ですが、探してみると、岡山県内にもけっこう有るのかもしれないですね。

失礼致しました。
Commented by sunshine-works at 2013-08-19 21:46
Lunaさん はじめまして。
丸高工業の建物は電車からよく見ていましたが、フランス積みとまではわかりませんでした。岡山県内に現存する明治期のレンガ建物自体が少ない中でフランス積みは貴重な存在と思います。
仰るとおり、探してみれば古い工場施設にはまだまだ知られていない貴重な建築がありそうですね。


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