2012年 08月 05日
篠山の近代建築その4 篠山の中心市街から篠山川を渡り、京都方面へ進んで程なく、道の右手側に濃茶色の外壁が目を惹く木造建物が見えてきます。 この八上小学校は篠山に唯一残る戦前築の現役木造小学校校舎となります。昭和12年築。 県道に面して北校舎、南校舎が並びます。北校舎に玄関が設けられている以外は同規模・同規格。二つの校舎は中央の渡り廊下で結ばれます。 木造2階建て、下見板貼、一部モルタル仕上げ。屋根にはセメントの平瓦が葺かれています。 戦前の木造校舎としては晩期となるこの時代の校舎らしく、セセッションやアールヌーボーの流行を取り入れた意匠。 装飾表現を玄関周りに集め、壁面を窓や付柱による水平・垂直ラインで引き立たせます。 黒塗杉材の下見板に押え縁として添えられる白塗りの垂直材。単調な壁面を引き締めています。 渡り廊下で繋がる南校舎です。 渡り廊下から南校舎を眺めます。 校庭から。ほぼ同じ規格で並ぶ2棟の校舎。 古い木造校舎については耐震性を巡って、改修・建て替えの2案が問われています。 築70年を超えるこの八上小学校校舎も両案が検討されましたが、最終的には現存校舎の補強で対応可、との判断で兵庫県として初の木造校舎の耐震補強工事が施工される事となりました。 現在補強工事が進むこの八上小学校は、古い木造校舎の行く末を定める重要な事例として、今後注目すべき存在と思えます。
by sunshine-works
| 2012-08-05 18:21
| 近代建築 兵庫県
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Comments(1)
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at 2012-08-05 22:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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