2012年 07月 14日
旧後藤医院
香川県坂出市の近代建築その5

前回紹介した木田歯科医院から南へ進んで程なく、赤く塗られた屋根が印象的な洋風建築が見えてきます。この建物も旧医院として建てられ、閉院した後も当時の姿を保ったまま残されています。大正9年築。
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大正9年に内科医院として建てられ、戦後の昭和36年から昭和63年までは産婦人科医院として使われました。その後現在に至るまで医院として使われる事なく、空家となっています。
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木造モルタル2階建て、大きなマンサード屋根の傾斜面にドーマーを張出します。外壁は平面を基調としたセセッション風の意匠、垂直方向に柱型が添えられ、柱型上部に花弁状のレリーフを飾ります。
華美な装飾はありませんが、広い壁面空間に程良いアクセントが添えられ、個性的な屋根とバランス良く調和します。
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こちらは南面です。1階が診療室や待合室、2階は病室として使われていました。
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各窓の中間に添えられた柱型。窓の下にもレリーフが飾られます。
部分的に残る化粧タイルは元々の仕様。現在は一部を残して塗り重ねられています。
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建物南側の狭い路地からの眺め。当初西側にあった入口は塞がれ、この路地に沿って東に増築した別棟に出入口が移されています。
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これまでも香川県に残る古い医院建築を数多く紹介してきましたが、一例を除いて他は全て閉院し空家となっています。
全国的に見ても、都市部に建てられた古い個人医院の多くは廃業と共に放置されたままとなっているのが実状です。地域の近代化を支えたこれらの個性的な医院建築は、やがて朽ち果て、いつの間にか町の風景から消え去っていくのでしょうか。
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by sunshine-works | 2012-07-14 18:05 | 近代建築 香川県 | Trackback | Comments(0)
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