2012年 07月 06日
旧若原眼科医院(清澄家住宅)
岡山県早島町の近代建築その1


旗本領の陣屋を中心に発展した早島町は、町域の中央を縦断する金比羅往来沿いに古い町並みが今尚残り、交易の中継点として栄えた往時の姿を偲ばせます。
この旧道から宇野線早島駅に続く狭い道を進んで行くと、住宅街の一角に古い木造2階建ての洋館が見えてきます。
眼科医院兼住居として明治41年に建てられたこの建物は、早島町に残る唯一の明治期の洋風建築であり、岡山県内では数少ない戦前築の木造医院建築の現存例でもあります。
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資料によると明治41年に眼科医院兼住居として建てられ、昭和4年に歯科医院を併設、昭和26年に眼科医院が廃止された後は平成2年までを歯科医院として開業していたそうです。建てられた当時は現在の建物の他に入院用の病棟が併設されていたとの事で、明治期の地方の単科医院としては本格的な概要を備えていたものと思われます。
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木造下見板貼、寄棟屋根に桟瓦を葺き、屋根の頂部には棟飾りを飾ります。建物正面側は洋風意匠で設え、側面・背面には縁側を備えた純和風の棟を繋ぐ和洋折衷様式。正面側のコの字型に張り出した両翼とその奥の区画が医院と応接室、奥の和室が住居となっています。
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小さな庇を備えた玄関。引戸式の玄関扉や上げ下げ窓が竣工当時のまま残ります。
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裏手に設えられた日本式の庭園。その奥に縁側を備えた和室が繋がります。
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明治に入って各地に広まっていった西洋医学は、それまで対処できなかった様々な疾病を癒し、多くの人々に文明の恩恵をもたらします。
各町に建てられたこのようなモダンな洋館造りの医院は、地域の近代化を象徴する存在として人々に親しまれていきました。
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by sunshine-works | 2012-07-06 20:45 | 近代建築 岡山県 | Trackback | Comments(0)
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