2012年 07月 02日
旧四本萬二邸
篠山の近代建築その2

篠山市郊外にある観光施設「お菓子の里丹波」の広い敷地の一角に、大きな洋風建築物が建っています。
大正7年に四本萬二氏の邸宅として神戸市垂水に建てられたこの建物は、戦後の昭和24年から昭和61年までを垂水警察署の庁舎として使われました。新庁舎の完成に伴い一度解体保存された後当地へ移築され、現在の用途に使われています。設計:宗兵蔵
f0116479_12281472.jpg

広大な芝生広場に建つ木造2階建の巨大な洋館です。
神戸に現存する大規模邸宅の例としては須磨離宮の旧西尾邸がありますが、建てられた年代はどちらもほぼ同じ、共に当時の関西を代表する設計者が手掛け、セッセションを基調とした意匠で建てられている点も共通します。
更に、双方の邸宅共に本来の用途に使われた期間は極僅かで、人手に渡った後は全く異なる使われ方となります。まさに大正バブルを象徴するような建物です。
神戸の経済界が活況を極めていたこの時代に、贅を凝らして建てられた大邸宅の貴重な現存例です。
f0116479_12291149.jpg
f0116479_1229188.jpg
f0116479_12285648.jpg

西側からの眺め。湖面にシルエットを湛える、西洋の古城の様な美しい光景です。
f0116479_12301566.jpg

f0116479_12303080.jpg

南東側に戻ってエントランスの詳細です。
f0116479_12354484.jpg

f0116479_12364295.jpg

f0116479_12361975.jpg

f0116479_12373186.jpg

入口から奥へ。館内にはレストランや各種のショップが並びます。
f0116479_15155081.jpg

f0116479_12403185.jpg

f0116479_1240433.jpg

長く警察庁舎として使われたこの建物は用途に合わせて内装変更を加えていたようです。移築に際しては極力オリジナルに近い姿に復されています。
f0116479_12405259.jpg

レストランを抜けて、湖に面したバルコニーに出ます。
f0116479_1243152.jpg

f0116479_12432771.jpg

f0116479_12435698.jpg

f0116479_12441486.jpg

f0116479_12442454.jpg

f0116479_12444255.jpg

f0116479_12445821.jpg

外側から眺めます。
f0116479_12471545.jpg

f0116479_12484354.jpg
f0116479_12475887.jpg

f0116479_12472539.jpg

f0116479_12473251.jpg

f0116479_12474174.jpg

f0116479_1249818.jpg

f0116479_12491912.jpg

東の住吉・御影と並ぶ邸宅街として知られた神戸西部の須磨や垂水ですが、戦後は多くの邸宅が取り壊され、往時の面影はすっかり薄れてしまいました。都市近郊でこれだけの規模の邸宅を個人が維持する事は相当に難しくなっているようです。
幸いにもこの建物は早い時期に自治体に買い上げられ、その後長きに亘って行き届いた管理が施された上で、適価で民間企業に払い下げられるという、恵まれた条件の下でその命脈を繋ぐ事が出来ました。財源縮小で余裕が無くなっている自治体に期待するのは酷として、この手の建物の再生には民間企業に頼らざるを得ないのが現状のようです。
f0116479_12493344.jpg


by sunshine-works | 2012-07-02 18:48 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://hardcandy.exblog.jp/tb/17718455
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 旧若原眼科医院(清澄家住宅)      旧鳥取県立図書館 >>