2012年 05月 17日
香川県丸亀市の近代建築その4 四国と岡山の間に浮かぶ塩飽諸島は大小28の島々からなり、古来から廻船業が盛んな島として栄えました。 この塩飽諸島の中で丸亀から最も近くに位置する牛島には昭和初期に建てられた灯台が今も現役施設として使われています。 丸亀港の沖合い約8キロ、面積0.7平方キロ・人口16人の小さな島、牛島に向います。 丸亀港を出て間もなくすると、奥手の本島(ほんじま)に重なるようにして牛島が視界に入ってきます。更に近づくと、港から沖合いに延びる防波堤の先によく目立つ赤色の灯台が見えてきます。 別名赤灯台とも言われるこの牛島灯台は、水深が浅く、幅の狭いこの海峡の安全を守る為に昭和9年に設置されました。 港から70メートル程先の浅瀬に海中から突き出す様に建っており、厳密に言うと灯標に分類されるものです。 高さ約10メートル、構造はおそらく鉄筋コンクリート造と思われます。沿岸灯台として設置されたものではないので灯台の規模としては中程度のものです。 この灯台は沖合い遠くに設置されていますが、まっすぐ伸びる防波堤の上を進んですぐ傍まで近づく事が出来ます。 防波堤の先端近くから眺めます。 円錐形の本体上部に灯器を収める灯室を据え、頂部を鉄製のドーム屋根で覆う極めて一般的な形状です。良く見ると表面にはタイルが貼られており、基礎部分の赤色は塗装ではなくタイルの色のようです。 過酷な自然環境に晒される灯台ですが、寿命は比較的長く、中には明治初期に建てられ今尚現役で使われている例も数多くあります。 これらはどれも長い時間を経る中で美しい風景に溶け込み、その地のシンボルとして欠かせない存在となっています。
by sunshine-works
| 2012-05-17 18:36
| 近代建築 香川県
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