2011年 12月 17日
香川県三豊市の近代建築その2 三豊市詫間から連絡船で15分程の沖合いにスクリューの形をした小さな島があります。 この粟島は江戸期より海運の島として栄え、明治に入るとその伝統を受け継ぐ形で海員学校が置かれました。 海員学校は幾度か変遷を経た末に昭和62年に廃校となりますが、敷地はリゾート施設に転用され、大正9 年に建てられた本館と教室棟の一部が残されています。 この校舎は県立粟島航海学校時代の大正9年に建てられました。 煉瓦の基礎に下見板張の外壁が組まれ、壁面に大きなガラス窓が並びます。1階と2階は明確に軒蛇腹で区切られ、屋根は和風の桟瓦が葺かれます。 様式美と機能美を備えたこの時代の学校建築らしい重厚な意匠です。 正面玄関の詳細。 本館の裏面です。 館内は見学自由。この入口から館内へ入ります。 時間が止まったような校内廊下。懐かしい木造校舎の雰囲気を今に伝えます。 廊下は更に奥へと続いてその先の教室へ繋がります。 教室内部です。大きな窓ごしに美しい海の景色を望みます。 北側の窓から中庭越しに本館を見据えます。 この階段から2階へ。 本館2階の講堂。 庭園として整えられた中庭。当時の生徒達が設えたものです。 教室棟の側面。 こちらは裏庭からの眺め。 各地に設置された船員学校ですが、その後はコンテナ船への移行や外国人船員の増大によってその役割は次第に薄れて行き、半数以上が廃校となってしまいました。 往時の姿を留めるこの校舎は、日本の海運業の根底を支えた海員学校の現存例として貴重な存在となっています。
by sunshine-works
| 2011-12-17 00:59
| 近代建築 香川県
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