2011年 08月 30日
香川県多度津町の近代建築その4 旧楽天堂医院の通りを挟んだ向かい側に建つ山本医院は昭和元年に建てられました。築85年を過ぎた今日も現役の医院として使われています。 この山本医院と向かい合う旧楽天堂医院はどちらも同規模の医院建築ですが、築年には15年の隔たりがあります。それぞれの時代の特色が良く表現されている二つの建物からは、この間の建築スタイルの変遷を伺う事が出来ます。 モルタルの表面を荒らした洗い出し仕上げの外壁。縦長窓の上部は切石で飾られています。 中心から右に寄せて設けられた玄関。真っ直ぐ突き出た庇がモダンな印象です。 玄関上部に乗せられたペディメントは両脇に繋がるパラペットと共にこの建物を美しく飾ります。 高松や坂出に比べて小さな町だった多度津ですが、この山本医院や旧楽天堂医院に見られるように当時流行の建物が逸早く建てられる、文化的に先進的な町だったようです。 通りを挟んで向かい合うこの二つの医院は四国の交通の要衝として栄えた多度津の当時の繁栄を偲ぶ建物として貴重な遺産となっています。
by sunshine-works
| 2011-08-30 23:45
| 近代建築 香川県
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