2011年 04月 30日
香川県善通寺市の近代建築その6 善通寺駅から続く大通りを西へ進んで程なく、市街の中心付近に四国学院大学のキャンパスが置かれています。この四国学院大学は旧陸軍第11師団隷下の騎兵第11連隊跡地に開かれており、騎兵連隊当時の建物の一部が同校の校舎として利用されています。 善通寺に残る旧軍施設の中で民間の用に供された最大の建物です。2棟あった騎兵連隊の兵営のうちの1棟と騎兵連隊本部建物1棟が現存しています。 現存する騎兵連隊当時の建物の一つ、四国学院大学の2号館として使われている旧騎兵連隊第2号兵舎。明治30年築。 正面玄関には三角ペディメントを持つ庇とオーダー柱が添えられていますが、これらは同学院が設立された際に付け加えられたものです。元々は装飾要素が殆ど無い、当時の一般的な兵舎建築でした。 後年に加えられた石柱と庇。然程違和感無く組み合わされています。 建物中央に玄関、左右に上げ下げ式の縦長窓が並びます。 側面から建物裏側へ回ります。裏側は更に飾り気のない、シンプルな意匠です。 木製の窓枠が当時のまま残されています。 同学院のキャンパスにはこの他に1棟、旧騎兵連隊の本部だった建物が現存します。 旧第11輜重大隊本部建物と規模や意匠に類似性があります。本部建物として統一基準が設けられていたと思われます。 旧軍施設が戦後に設立された新制大学のキャンパスとして転用された例は幾つもあります。市街の主要部に立地し、広い敷地を有していた旧軍施設は校地として最適の条件を備えていました。 戦後60年以上を経た今日、校舎として転用された兵舎の多くは建て代えられ、旧軍由来の建物は倉庫や補充的な用途に使われている例が殆どを占めている中、主要な校舎の一つとして共されているこの四国学院大学は全国的にも希少な事例と思われます。
by sunshine-works
| 2011-04-30 23:58
| 近代建築 香川県
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