2011年 01月 15日
岡山県津山市の近代建築その8 津山と鳥取を結ぶ因美線は大正8年に第一期区間の鳥取-用瀬間が開通、その後津山・用瀬双方から延伸を重ねて昭和7年に全通します。これによって瀬戸内海と日本海は1本の線路で結ばれる事となり、以来因美線は60年余りに亘って陰陽連絡線の主要線区としての重要な役割を果たしてきました。 平成6年に智頭急行線が開通してからは地域の生活を支えるローカル線に転じ、現在は2、3時間に1本程度の間隔で単編成の普通列車が運行されています。 大半が山間部を行くこの因美線はまた美しい景色が連続する区間でもあり、長閑な山間いに開業当時のままの鉄道施設が数多く残っています。 津山の鉄道遺産シリーズの後半はこの因美線に点在する駅舎や橋梁を紹介します。 因美線の鉄道遺産探訪その1は全国の木造駅舎の中でも特に人気の高い美作滝尾駅です。この駅舎は因美線が高野-美作加茂間で開通した昭和3年に設置されました。 この駅舎の素晴らしさは、何と言っても竣工当初の姿がほぼそのまま残されている事です。外壁、内装、待合室、改札や駅務室、上屋からホームの石積みに至るまで限りなくオリジナルに近い状態が保たれています。 有人駅だった頃のまま残されている駅務室。中の備品や家具類も相当に古い物と思われます。 周囲の景色も基本的な部分は開業時と変わっていないのでしょう。 小さな待合室も当時のままです。 ホームは1面1線。木製ベンチが置かれた以外何もありません。 各地に残る木造駅舎の中でも現存性と景観の素晴らしさに於いてこれに秀でる物は無いと思える位に素晴らしい駅舎です。 この美作滝尾駅は、多くの鉄道遺産が残る美作地域の中でも昭和初期の地方駅舎の典型的な姿を伝える極めて価値の高い歴史資料となっています。
by sunshine-works
| 2011-01-15 23:56
| 近代建築 岡山県
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