2010年 12月 14日
津山機関車庫
岡山県津山市の近代建築その6

第一吉井川橋梁を越えた姫新線の上り列車は、程なくして美作の中心駅、津山駅に到着します。
この津山駅には、全国でも数例となった旧国鉄時代に建てられた扇形機関庫が残されています。
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明治31年の津山線開通に始まる美作の鉄道網は、その後大正8年に因美線、大正12年に作美線(後の姫新線)が相次いで開通、昭和11年の姫新線の全通で東西南北を結ぶ路線が整います。その交点に位置する津山駅は各線区の車両が乗り入れる内陸部の中心駅として重要な役割を担っていました。
この機関庫は美作の鉄道網が完成した昭和11年にそれまでの機関庫に代わって建てられたものです。
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蒸気機関車を風雪から守り、整備・点検を行う車両基地として各地に設けられた機関庫には並列に車庫が並ぶ短形式の物とこの津山機関庫に見られる扇形式の物がありました。
扇の要にあたる箇所に転車台を設置し、円滑に車両の出し入れが出来るこの形式は構内の配線が複雑にならずに済む利点があり、大規模な機関庫にはこの形式が多く用いられました。
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転車台を基点として半円形に並ぶ車庫は全部で17線。現存する扇形機関庫の中では京都梅小路機関庫の20線に継ぐ規模です。
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車庫内部。外観同様のコンクリート打ち放し仕様です。
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裏面は天井の高さまで窓が並び、薄暗い庫内を照らします。
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裏面の数箇所にこのような鉄扉が設けられています。
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外側から見た裏面の景色。窓枠は当時のままと思われますが、硝子の多くは割れています。
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車庫の上部にも採光用の開口部が設けられています。
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側面に設けられた丸窓。ほとんど装飾らしきものが無いこの建物の数少ない意匠表現です。
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蒸気機関車の退役と共に各地の機関庫は役割を終え、その多くは取り壊されて行きました。扇形機関庫の現存例は全国で僅かに13を数えるだけとなりましたが、これらは蒸気機関車の時代を語る上で欠かせない鉄道施設として伝えて行くべき遺構と言えます。
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by sunshine-works | 2010-12-14 23:47 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by tajiri8jp at 2010-12-17 07:54
立派なのが残ってるんですねえ。これは絶対今後も残して欲しい物件です。
Commented by sunshine-works at 2010-12-17 23:03
同感です。全国各地にある「残して欲しい」物件のランキングの中でもこれはかなりの上位に推したいですね。


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