2010年 12月 02日
尼崎の近代建築その16/西宮の近代建築その29 兵庫県の近代建築探訪、前回は福知山線の廃線跡を紹介しましたが、この後しばらく鉄道に関連した近代化遺産を巡っていきます。 日本で2番目に開通した大阪神戸間の開通に始まり、大手私鉄が競って路線を伸ばしたこの地域には数多くの鉄道遺産が残されています。今回紹介する東海道本線武庫川橋梁も開業以来今日まで、長い歴史を刻んで来ました。 明治7年の大阪神戸間の開通時に日本最初の鉄橋として架けられた武庫川鉄橋は、その後に架け替えと改修を重ね、現在の橋は明治期~平成に至る各時代の部材が組み合わされた物となっています。 上り線に使われている煉瓦橋脚は明治末~大正中期頃、その他のコンクリート橋脚は同区間が複々線化された昭和12年の築、プレートガーダーの橋桁は大正から現代までの物が混在していると推測されます。 この付近は地面より水位が上にある「天井川」となっている為、線路は築堤で嵩上げされた路盤上から橋に入ります。河川敷を低い高さで渡り、川面に狭い間隔で並ぶ橋脚の上へ運ばれていきます。 6基の橋脚で川を越え、対岸へ渡ります。 鉄板と支材をリベットで組んだだけの単純な構造ですが、複雑に鋼材が組み合わさったトラス橋の美しさとはまた異なる、力強い迫力を感じます。 上流側に並ぶ重厚な煉瓦橋脚。 武庫大橋から望む武庫川橋梁。背景の山並みや川面の景色に美しいシルエットが浮かびます。
by sunshine-works
| 2010-12-02 23:50
| 近代建築 兵庫県
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Comments(4)
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kaetuya55 at 2010-12-03 11:44
鉄道も本線となると開業も古く、このように橋脚やガードに開業当時の
姿が残されているケースがありますね。 金沢駅近辺では、ここ数年高架事業が進んでしまい、残念ながら当時 の面影を残すものが無くなっています。
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sunshine-works at 2010-12-03 18:28
kaetuya55さん こんばんは。
正確には、この橋は開業時の物ではないのですが、それでも80年以上の長きに渡って使われています。引っ切り無しに列車が行き交う幹線故に相当酷使されて来たと思いますが、今尚現役を続けているのは凄い事ですね。
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tajiri8jp at 2010-12-03 21:11
橋を照らす光がこれまた美しいです。
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sunshine-works at 2010-12-04 09:41
tajiri8jpさん こんにちは。
電車に乗っているとあっと言う間ですが、JRの阪神間沿線でこの場所は最も景観に優れた場所だと思います。開けた場所なので日も程良く差し、列車も間近に撮れて、被写体として申し分の無い場所ですよ。 |
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