2010年 11月 01日
西宮の近代建築その28 尼崎から北摂地域まで巡ってきた兵庫県の近代建築探訪の旅。残る丹波・但馬地区へと歩を進める前に、これまで巡った地域に幾つか追加を加えます。 まずは宝塚と西宮の境に残る鉄道遺産、武田尾廃線跡の紹介です。 JR宝塚駅から北へ向かう福知山線は、生瀬駅を出ると道場駅までの3駅間を連続するトンネルで結んでいますが、同線開業時から昭和61年までは現在よりも北寄りの武庫川に沿ったルートに配線されていました。複線化に伴って廃止された同区間は、レールこそ撤去されているものの、四半世紀を過ぎた今も当時のままの姿で隧道や橋梁が残り、軌道敷跡を武田尾まで往時の姿を辿りながら行き着く事が出来ます。 鉄道廃線跡として有名な武田尾廃線は、生瀬駅の北方、中国道の高架を抜けて斜面を下った武庫川河川敷から始まりますが、駅を北側に出て平行する県道を進んだ先、現在の線路が旧線から分岐する地点にもかつての路線跡が埋もれています。その後に新設された道路の整備に伴ってこの辺りの旧路盤の多くは取り壊されていますが、断片的に残るこれらの遺構にもかつての姿を垣間見る事が出来ます。 武田尾旧廃線跡を巡るメインルートの最初に現れるプレートガーダーの橋梁。 この橋を渡り武庫川に沿って敷かれた路線跡をおよそ7キロ、約1時間半の行程を辿ります。 横手に武庫川を眺めながら、路線跡をひたすら進んで行きます。大阪から30分足らずの場所とは思えない雄大な渓谷の景色が続きます。 見張台の跡。所々にこのような施設が残されています。 この鉄扉の中は途中まで掘削されたトンネルの跡地との事です。 スタート地点から20分程、最初のトンネルが現れます。コースに6つあるトンネルの中でこの北山第一トンネルが大正12年の築、他は明治32年の同区間開通時に竣工しています。 写真では比較的明るく写っていますが、実際のトンネル内部は真っ暗闇、懐中電灯が無いと進めません。 トンネルを抜けた反対側の坑口。 更に進むと区間で最長の北山第二トンネルに至ります。 これは落石覆いでしょうか。 煉瓦を積んで補強した側壁。 三つめのトンネル、横溝尾トンネルの入口。 トンネル出口の先に朱色に塗られた鉄橋が見えてきます。この区間の最大の橋、武庫川第二橋梁は戦後の昭和29年に初代の橋から架け替えられました。(次回に続きます。)
by sunshine-works
| 2010-11-01 22:03
| 近代建築 兵庫県
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