2009年 09月 15日
旧牛窓警察署本館
岡山県瀬戸内市の近代建築その2

瀬戸内市牛窓町は古くから開かれた港を中心に発展した町で、その名は万葉集にも詠われています。この牛窓の港近くに明治期の警察署を利用した資料館(海遊文化館)が建っています。この建物は明治22年に牛窓警察署庁舎として建てられました。
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木造平屋建て、和小屋組に桟瓦を乗せたいわゆる儀洋風の建物です。
偽洋風とは言え、本格的な洋式技法が随所に施されています。地元の職人達にとって初めて手掛けた西洋建築だったと思われますが、見事な仕上がり具合となっています。
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この建物の白く塗られた外壁や玄関柱の装飾、大きなファンライトを備えた玄関扉などからは、ギリシアや地中海のイメージを彷彿とさせられます。後年に牛窓の風景を「日本のエーゲ海」と称するようになりますが、この旧警察庁舎はそれを象徴するような建物です。
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大きな三角ペディメントが特徴的な玄関庇。当時の庁舎によく見られるデザインです。
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鮮やかなステンドグラスや手の込んだ細工を施した玄関周り等、今日の感覚からすればおよそ警察庁舎とは思えない装飾豊かな建物です。大都市ではなく地方の小さな港町に、このような洗練された庁舎が建てられた事も驚きです。
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役場や学校や郵便局と同様に、市民生活を支える象徴的な存在として警察署や交番が明治政府によって全国の町や村に建てられていきました。さすがに、この時期の警察庁舎で残っている建物は僅かな数しかありませんが、明治22年築のこの建物はよくその原型を留めており、建築資料としても優れた文化遺産となっています。
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by sunshine-works | 2009-09-15 21:43 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
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