2009年 06月 08日
網干商工会館
姫路の近代建築その15

網干の中心部から西へ、揖保川沿いの通りに面してモダンな建物が見えてきます。この建物は網干商工同友会の施設として昭和15年に建てられました。
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一見すると見落としてしまいそうな建物ですが、タイルで飾られた柱や腰周りに貼られたスクラッチタイル、2階の丸窓、玄関上のバルコニー、側壁を覆う蔦、赤い瓦屋根等々、只ならぬ気配を感じさせる建物です。
窓枠はサッシに変えられていますが、その他各部はおそらく竣工時のまま、色褪せ加減がちょうど良い風合いを醸しています。
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玄関の柱は全面にタイルが貼られています。
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空襲の被害を受けなかった網干は古い町並みが戦後も残されました。都市化の波も緩やかだった為に町全体に古き時代の雰囲気が色濃く残っており、このような施設が現役で使われている事に何の不思議も感じさせません。
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1階正面外壁のスクラッチタイル
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壁面はびっしりと蔦で覆われています。特に北側は窓を塞ぐほどに茂っています。
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残念ながら中を見ることはできませんでした。ガラス漉しに内部を一枚。
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大都市でも地方都市でも、いわゆる「商工会」の建物は様々に意匠を凝らした物が多いようです。網干は然程大きな町ではなかったのですが、都会にひけを取らないこのモダンな商工会館が建った背景に当時の網干の勢いを感じます。
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by sunshine-works | 2009-06-08 21:11 | 近代建築 兵庫県 | Trackback | Comments(0)


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