2009年 05月 07日
旧制姫路高校講堂
姫路の近代建築その7

播磨の経済・商業の中心として発展した姫路は、文化に於いても地域の中核として重要な役割を果たしていました。中でも、城下町の時代から醸成されていた学術・教育の土壌は明治になっても失われる事無く、全国に40数校が設置された旧制高等学校も県都である神戸市では無く、この姫路に置かれました。(その後神戸には私立旧制高校として甲南高校が設置されます)
姫路の近代建築その7は現在の兵庫県立大学キャンパスに残る、旧制姫路高校の建物を紹介します。
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姫路城の西方、兵庫県立大学姫路キャンパスは旧制姫路高校から神戸大学を経て兵庫県立大学に引き継がれました。この敷地内には旧姫路高校時代の建物が2棟現存しています。今回は講堂として大正15年に建てられ建物を紹介します。
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正門から程なく、敷地の南東に建つ木造2階建ての講堂です。外壁は下見板貼、玄関周りに石を廻らせ角柱を配したこの時代の木造学校建築のスタイルです。
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何といっても素晴らしいのは、この建物が創建時と殆ど変わらない姿が保たれている事です。この種の建物の改修で損なわれてしまいがちな木製の上げ下げ窓もそのまま残されています。
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この木製の扉も当時のままかもしれません。
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入口の手前には高下駄にマント・学帽姿の当時の学生像が建てられています。因みに姫路高校の学帽は2本の白線が巻かれていました。
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昭和25年、旧制姫路高校は学制改革によって廃止され、神戸大学の姫路分校に改編されます。
同様に他の旧制高校も大学に改編され、校舎や施設は引き継がれて行きますが、その多くは時代を経る中で取り壊されてしまいます。
現存する旧制高校の施設の中で、数少ない木造講堂として大変貴重なこの建物は、その保存状態の良さも相まって国の有形登録文化財に指定されています。
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戦前の高等教育機関の根幹を支えた旧制高校はその後大学に改編されますが、バンカラで知られる気風は次第に薄らいで行きます。
今日ではその名称も学生の井手達もすっかり変わってしまいましたが、現存するこれらの校舎によって独自の文化を築いた旧制高校の歴史を偲ぶことができます。
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by sunshine-works | 2009-05-07 20:18 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
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