2009年 04月 23日
旧陸軍第10師団兵器庫
姫路の近代建築その5

今日、播磨の拠点都市として、さらには国際観光都市として賑わう姫路ですが、かつては陸軍第10師団が置かれた軍都でもありました。
都市部にあって広大な敷地が確保できる城郭は、明治以降多くの都市で師団本部の設置場所として利用されますが、姫路も明治29年に内曲輪に第10師団が置かれます。師団本部の他、市内各所に隷下の各連隊の建物、錬兵場、陸軍病院、その他関連施設が建てられ、道路やインフラも軍中心に整備されて行きます。
敗戦により師団は消滅し、軍関係施設の殆どは残っていませんが、今回と次回は現存する旧軍関係の建物を紹介します。
現在姫路市立美術館として使われているこの建物は旧第10師団の兵器庫、被服倉庫として建てられました。明治38年築、大正2年増築。設計:陸軍省。
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師団司令部を始め、軍関係施設の多くは昭和20年の姫路大空襲で焼失してしまいました。姫路の中心街を焼き尽くした空襲ですが、姫路城は被害を免れ、城に隣接するこの建物も無傷で残ります。終戦直後から約30年間を市役所として使われ、その後美術館に改装されて今に至ります。
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各地に残る旧軍のレンガ倉庫と共通するデザインです。そもそもレンガ倉庫自体がどれも似通っているので、規模と階数が同じならば同様な印象となります。改装された際に窓に格子が嵌められていますが、おそらくは各窓に鉄の扉が付く、いかにも倉庫然とした建物だったと思われます。
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築後100年を経過している建物ですが、壁面は補修され、美しく保たれています。年輪を感じさせる古びた煉瓦の風合いが残されていないのは残念ですが、美術館としてはそうも行かないのでしょう。
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西側に建つ棟が最初に建てられ、後年に北側の建物が増築されています。こちらが後年に増築された棟です。
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城をバックに庭園と煉瓦の建物が織り成す風景は、巣晴らしい眺めです。
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軍によって支えられた戦前の姫路ですが、戦後、広大な軍隊跡地はその後の都市計画に組み込まれ再開発されて行きます。何よりも姫路城が軍の管理下から離れた事は観光都市姫路にとって最大のメリットとなりました。
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by sunshine-works | 2009-04-23 00:15 | 近代建築 | Trackback | Comments(0)
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