2009年 03月 09日
神田家洋館
加古川の近代建築その7

日本毛織加古川工場敷地の南側に連なる古い商店街の一角に一軒の小さな洋館が建っています。
この建物は当地で瀬戸物商を営んでいた神田家の応接施設兼倉庫として建てられたものです。築年は大正期と推測されています。
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宿場町の名残を留めるこの通りは工場が活況を呈していた当時、日本毛織で働く多くの従業員で賑わう繁華街でした。現在は商業の中心が駅前に移り人通りも少なくなってしまいましたが、今でもこの周辺には当時を偲ばせる古い建物が残っています。
少し前までこの建物の場所にも戦前築の陶器店が建っていたのですが、平成15年に老朽化により取り壊される事となりました。この解体工事で取り払われた前面の建物の奥から現れたのが今回紹介する小さな洋館です。
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前面が洋館、その奥に倉庫兼作業場が繫がっています。
この建物は修復保存される際に3階より上を解体し、危険箇所の幾つかを撤去しています。
裏庭に散乱する瓦礫はこの時解体されたものと思われます。
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残念ながら内部は撮影禁止です。室内は8帖程度の広さしかなく、水周りも有りません。前面にあった店舗の離れとして接待用に使われていたと思われます。
*詳細はこちらをご覧下さい。
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2階へ上がる急傾斜の階段。2階は見学できなかったので内部はわかりません。この階段は予備的な物で、普段は前面にあった建物の2階部分と結ばれた通路から出入りしていたとの事です。
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小さな建物ながら、アーチ窓や上げ下げ式の窓を備えた洋館の造りです。建築様式として特定の様式に則ったものではなく、設計者あるいは施主の嗜好で自由にデザインされた印象を受けます。
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加古川工場の敷地を囲う煉瓦壁と路地を一本隔てて建っています。現在は崩れかけていますが、この建物の裏庭も煉瓦壁で囲われており、一体となって景観を成しています。
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小さな地下室が設けられています。倉庫として使われていたようです。現在はカフェーとして利用されています。
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小さいながらも独特の存在感で人目を強く惹き付けるこの建物は国の有形登録文化財に登録されています。有形登録文化財としては最も小さな建物かもしれません。
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by sunshine-works | 2009-03-09 20:32 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by aruphoto at 2009-03-10 16:34
初めまして。
関西の近代化遺産を巡ってみようかなと思って調べていたらたどり着きました。
とても行ってみたい場所がたくさんありました!
じっくり拝見させて頂きますね。
リンク頂きました。
Commented by sunshine-works at 2009-03-11 00:21
aruphotoさん初めまして。
aruphotoさんも兵庫県在住のようですね。兵庫県は近代化遺産の数が多いだけでなくバラエティに富んでいるのが魅力です。aruphotoさんの美しい写真で撮った兵庫の近代化遺産がUPされるのを楽しみにしています。


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