2009年 02月 13日
多木化学本社建物
加古川の近代建築その1

近代建築Watch 兵庫県播磨編は今回から加古川市を巡ります。
明石と姫路の中間に位置する加古川は幕末までは農業と漁業を中心とした地域でしたが、明治以降は多くの工場が進出し、工業都市として発展していきます。加古川の近代建築その1は加古川の発展に大きな役割を果たした企業に纏わる建物を紹介します。

山陽電鉄別府駅から港へ向かう途中に黒塗りの洋風建築が見えてきます。この建物は多木化学株式会社の前身である多木製肥所の本社として建てられました。
f0116479_1929249.jpg

多木製肥所は日本で最初の近代肥料会社としてこの地で創業されました。
同社は創業者の多木久米次郎の発案になる骨粉肥料の製造を手始めに各種化学肥料を開発し、やがて全国規模の大会社に発展していきます。この建物は同社が大きな成功を収めた後の大正4年に新たな本社建物として創業者の生家傍に建てられたものです。
f0116479_19302330.jpg

全面を黒く塗った下見板貼りの木造2階建、事務所らしく階高の高い、かなり大きな建物です。軒には同社のシンボルである鋤のマークを巡らせています。
f0116479_1933344.jpg

f0116479_19342078.jpg

f0116479_19351227.jpg

f0116479_19345039.jpg

f0116479_19363337.jpg

f0116479_19412464.jpg

f0116479_19354352.jpg

突き出した長い庇が特徴の玄関。両脇には灯篭や石像が飾られています。
f0116479_19484692.jpg

f0116479_19491766.jpg

f0116479_19502635.jpg

f0116479_19504756.jpg

f0116479_19512510.jpg

この石臼のレリーフはかつて獣骨を挽いて肥料を作る際に用いられていたもので、同社の起源とも言うべき存在です。
f0116479_19521715.jpg

寄棟の大きな屋根の東西に明取り用の屋根窓が設けられています。
f0116479_2062146.jpg

f0116479_2071644.jpg

自然由来の肥料しかなかった時代に現れた化学肥料は農業生産を飛躍的に増大させ、以来日本の農業の大きな支えとなっていきます。総合化学メーカーへと発展した同社ですが、歴史あるこの建物を現在も本社として守り続けています。
f0116479_19335997.jpg


by sunshine-works | 2009-02-13 20:41 | 近代建築 | Trackback | Comments(3)
トラックバックURL : http://hardcandy.exblog.jp/tb/10349560
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by MaMiMu at 2009-02-14 08:48 x
はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。建築の作例ですが、1つの建物のカットを数多く掲載していただいているので、すみずみまでディーテールを見ることができます。どうやって、建築物を見つけられるのでしょうか?撮影候補のリストなどあるのでしょうか?わたしも各地訪れると、古い建築を見て歩くのが好きですが、こちらのサイトはガイドなどにも紹介されていない建物が多いので非常に参考になります。
Commented by sunshine-works at 2009-02-14 13:46
MaMiMuさんはじめまして。
有名な建物はインターネット上で探せるのですが、あまり知られていない物件を調べるのには図書館を良く利用します。県や市の中央図書館の郷土資料コーナーには参考文献が結構揃っています。地方へ行った際に地元の図書館を覗かれると良いと思います。他には地方新聞のWebページをこまめにチェックするとその土地の近代化遺産を採り上げている特集やコラムが見つかります。神戸新聞などは関連のコラムが豊富で参考になります。
Commented by MaMiMu at 2009-02-22 21:47 x
sunshine-worksさん
先日はコメントどうもありがとうございました。地元の図書館ですか。
知の宝庫なので、いろいろ情報が得ることができそうですね。ありがとうございます。加古川の図書館、いい味出していますねぇ。こういう建築が
今残っているだけでも感謝したい気持ちで一杯になります。


<< 多木浜洋館(あかがね御殿)      旧二見村役場(東二見市民センター) >>