2009年 02月 04日
茨木酒造洋館
明石の近代建築その3

山陽電鉄魚住駅から南西方向、海に近いこの一帯は江戸時代から続く酒造地帯です。最盛期には魚住から江井ケ島にかけて多くの造り酒屋が並び、西の灘と言われる程の賑わいを呈していました。現在その数は10件ほどに減ってしまいましたが黒塀に囲まれた昔ながらの風情ある酒蔵の風景が見られます。その中の一軒、茨木酒造の入口横に一棟の洋館が建っています。現在同社の事務所として使用されているこの建物は大正後期に建てられたものです。
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新酒の出来上がりを知らせる杉玉が飾られた小さな建物です。下見板貼りのいわゆる擬洋風建築と呼ばれる建物ですが、この種の洋館に多いコロニアル様式の凝った装飾は見られず、入口のぺディメントと1階・2階の間に施されたコーニス(蛇腹)が洋館らしい特徴となっています。
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正面入口と思われますが不釣合いな鉄扉が取り付けられています。倉庫的な使い方をされていたのでしょうか。
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建物北側です。2階の大きな窓はサッシに入れ替えられていますが右上の小さな窓は昔のままのようです。屋根瓦は擬洋風建築らしく和瓦が使われています。
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畑の向こう側に続く酒蔵。この建物もかなり古いものと思われます。
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建物横の門から酒蔵がある敷地内に入ります。酒の直売所もあって自由に出入りする事ができます。
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敷地内から眺めた南面。
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灘に劣らず盛んな酒造地帯だった魚住周辺ですが、全国ブランドの灘酒には効し難く、やがて多くの銘柄が消えて行ってしまいました。
古い酒蔵とコントラストを成す白塗りのモダンな洋館は、この地で伝統を守り続ける蔵元のシンボルとして一際目を惹く存在となっています。
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by sunshine-works | 2009-02-04 20:31 | 近代建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by zawa at 2009-02-08 22:52 x
はじめまして。
先日、茨木酒造に行った際は、この洋館の入り口の倉庫のような扉が開かれており、
その中には洋館に合った雰囲気の扉(壁と同じ色で、上半分は磨りガラス、
下半分には板チョコのような四角い彫り模様)がありました。
二重扉になっているようです。
扉のデザイン一つで印象がずいぶん変わりますね。
Commented by sunshine-works at 2009-02-09 21:48
ZAWAさん はじめまして。中をご覧になられたのですか。なるほど二重扉とは思いもしませんでした。鉄扉は雨戸のようなものなのでしょうか。貴重な情報をありがとうございました。


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